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第61回日本文学協会国語教育部会夏期研究集会のご案内 

 2008年の小学校・中学校の学習指導要領告示に続いて、2009年3月に高等学校学習指導要領改訂が公示されました。国語科においては、小学校・中学校と同じく、言語活動が「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」のなかに具体的に記述されています。「読むこと」においては、PISA型読解力の低下傾向に関連する言語活動が取り上げられ、課題に応じて取捨選択するという姿勢が見られます。学習対象の〈文脈〉が裁断されて、結果として思考や認識の力を耕すことができないのではないかと危惧されます。一方で〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕が示され、「言語文化の特質」に気付くような指導が求められていますが、「言語文化の特質」を実体として扱っているかの印象は否めません。
 私たちは、昨年「文学教育の転回と希望―〈文脈〉を掘り起こして―」をテーマに掲げ、読み手に現象した〈文脈〉はそもそも客体そのものではないと再確認し、読むことの意味―それは学ぶことの意味につながりますが―を追究しています。「主体」「客体」の外部に「第三項」を想定し、その影が〈実体性〉を持って読み手に現れてくると考え、〈文脈〉という問題を問い続けています。読むことは、到達できない「第三項」に向かう運動です。今年の夏期研究集会では、「〈文脈〉を掘り起こす―言葉の向こう―」をテーマに、語られた言葉の〈向こう側〉を見る眼差しをもち、教室で文学を読むことの意味を実践的に考えてみたいと思います。文学の言葉の意味はどこにどのように宿るのかを問うことが、児童・生徒に学ぶ意味をもたらすと考えます。
 文学と教育に関心のある多くのみなさんの参加を願ってやみません。


テーマ 〈文脈〉を掘り起こす―言葉の向こう―

日 時 8月8日(土)〜8月9日(日)

会 場 拓殖大学(文京キャンパス) C館 301・305〜307教室
    〒112-8585 東京都文京区小日向3-4-14
    東京メトロ丸の内線茗荷谷駅下車徒歩3分
    地図URL http://www.takushoku-u.ac.jp/map/acc_b.html#top

日 程

8日(土)
 12:00〜 受付開始
 13:00〜 開会挨拶 齋藤知也(自由の森学園中学校・高等学校)
進行 成田信子(國學院大學)

 13:10〜 講  演 野矢茂樹
 14:30〜 基調報告 鎌田 均(京都産業大学附属中学校・高等学校)
 15:20〜 シンポジウム「言葉の向こう―〈文脈〉を掘り起こして―」
司会 馬場重行(山形県立米沢女子短期大学)
   齋藤知也(自由の森学園中学校・高等学校) 〈語り〉をひらく
   堀 裕嗣(札幌市立北白石中学校) 言葉の向こう―中学校国語科編―
   助川幸逸郎(横浜市立大学非常勤) 袁■にルサンチマンはあるのか―〈凡庸な 人間〉のために『山月記』を読む
 18:00 事務局連絡


9日(日)
 午前の部 9:00〜12:00 講座(分科会)

  小学校分科会 司会 藤原和好(前プール学院大学)
    横山信幸(金城学院大学) 宮沢賢治「注文の多い料理店」に見られる「ことば」
                      の働き
    中村龍一(都留文科大学非常勤) 〈文脈〉を掘り起こす―『ごんぎつね』を読む―

  中学校分科会 司会 青嶋康文(都立南多摩高校)
    須貝千里(山梨大学) 物語や小説を批評すること―「走れメロス」問題再び―
    丹藤博文(愛知教育大学) 言語論的転回による読みの指導課程
                      ―『故郷』(魯迅)の実践研究―

  高校分科会 司会 相沢毅彦(早稲田大学高等学院)
    田中 実(都留文科大学) 「藪の中」あるいは「羅生門」問題
    高野光男(都立産業技術高等専門学校) 物語を超えて
                                ―「最後の一句」の述語的世界
 午後の部 13:00〜16:00 実践報告(分科会)

  小学校分科会 司会 橋本博孝(三重大学)
    江田成美(栃木市立栃木第一小学校) 聴き合える国語教室をめざして
    福村もえこ(奈良市立六条小学校) 豆太には勇気がある?
                         自分の物語を見つけよう『もちもちの木』(3年生)

  中学校分科会 司会 角谷有一(大谷中・高等学校)
    三国大輔(氷見市立北部中学校) 〈読み〉の変容を促す文学教育の展開
                            ―「走れメロス」(太宰治)を中心に―
    望月理子(韮崎市立韮崎西中学校) 「ねこの事務所」を教室で読む

  高校分科会 司会 増田修(前富士見中学・高等学校)
    篠原武志(洛星中学・高等学校) 生徒と読む「おにたのぼうし」
                           ―おにたの世界からの脱出を求めて―
    古家敏亮(法政大学中学高等学校) 文脈を作る―読みと創作―

  全体会  16:00〜16:40 小・中・高実践報告の司会からの分科会報告

  閉会挨拶 16:40 須貝千里(山梨大学)


参加費 全日参加 3000円(ただし、学生は2000円) 
      一日参加 1500円(学生は1000円)
注 意・参加費は原則として前納でお願いします。ただし8月に入り日程的に無理な場合は当日直接受付でお支払いください。
    ・下記の郵便口座にお振り込みの上、申込用紙を日本文学協会事務局宛にお送り下 さい。
    口座番号 00160-7-23502 日本文学協会国語教育部会

   ・駐車場の用意はありません。お車での来場はご遠慮ください。

宿 泊 各自でお申し込みをお願いします。

お問い合わせ 日本文学協会
       〒170-0005 豊島区南大塚2-17-10 TEL/FAX 03-3941-2740
       e-mail bungaku1946@piano.ocn.ne.jp

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