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公開シンポジウム「新学習指導要領と文学の力」  

新学習指導要領をめぐってのシンポジウムを開催いたします。

   

今回の学習指導要領は、従来からの「生きる力」を育てるという理念を継承しつつ、教育基本法の「改正」を踏まえ、「学力低下」批判に応えるという課題を担っているものであると言ってよいでしょう。そのために、「知識・技能の習得と活用」「思考力・判断力・表現力の育成」に全教科を通して取り組んでいくこと、国語科においては「伝統的な言語文化の尊重」ということが強調されています。国語科は「学習指導要領」改訂の大事な柱の一つにされています。
 日本文学協会国語教育部会では、「言葉の力」に注目することこそが、これからの文学教育の展望を切りひらき、そのことがこれからの国語科教育の展望を切りひらいていくことにもなると考え、研究と実践を積み重ねてきました。具体的には、言語の実体論と非実体論を同時に超え、問題を「第三項」の領域で論じ、「機能としての語り」の問題を探究の対象としてきました。このことが「言語論的転回」によって出現したアナーキーに向き合い、ナンデモアリに止まることなく、さらなる転回の展望を切りひらいていくことになると考えたからです。この問題意識が日本の国語科教育に求められていると考えております。
 公開シンポジウムでは、
1 新学習指導要領がいかなるものであるのか、「習得」「活用」「思考・判断・表現」をめぐって、そこにいかなる課題や問題があるのかを明らかにしていくこと
2 「読解力向上」ということが課題にされていますが、「読む」ことをめぐる問題を原理的に解明し、これからの国語科教育の課題と方向性を明らかにしていくこと
3 とりわけ文学作品の教材価値が「伝統的な言語文化の尊重」ということと関連して注目されていますが、そもそも文学作品の教材価値とは何なのか、いかに価値を引き出すことができるのか、ということを解明し、実践の方途を明らかにしていくこと
をめざしています。
 国語教育部会で検討してきたことが、「新学習指導要領」問題とどのように絡んでいくのか、これが今回のシンポジウムの一番の注目点であろうかと思います。そのために、国語教育界の重鎮、日本国語教育学会理事長の湊吉正氏(筑波大学名誉教授)を問題提起者としてお招きし、問題を深めていきたいと考えております。
 どうぞ、ご参加ください。お待ちしております。

・日時  2008年5月24日(土)
      開場 13時 開始 13時30分 終了 17時
・会場  拓殖大学(文京キャンパス・国際教育会館)
・交通  丸ノ内線 茗荷谷駅下車 徒歩5分
・問題提起  須貝 千里(山梨大学)
       山元 隆春(広島大学)
       湊  吉正(筑波大学名誉教授)
・司会    野 光男(東京都立産業技術高等専門学校)
・資料代   500円(どなたでもご参加できます)
                          日本文学協会国語教育部会

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