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9月号特集 日記からひらく近現代文学研究
日本文学およびその研究において、日記の存在が時代を超えて重要であることは言うまでもない。なかでも近代以降は、国民教育の一貫として奨励された日記が幅広い層に広まり、多様な「日記文化」が生まれた。多くの作家が日記を残し、時に日記そのものや形式が文学作品に取り入れられたりもしている。日記文学というジャンル概念自体が近代において生まれたように、「日記文化」は近現代文学研究において多くの重要な問題を孕んでいる。
近年では日記や書簡、手記、自伝、メモなど、一人称の資料を「エゴ・ドキュメント」とよび、個人の語りに着目する研究が歴史学を中心に台頭している。個人の文書を総称するこの語が広まったことで、一人称の資料の問い直しが進み、文学研究も含め多領域で成果があらわれている。
従来の研究では、日記や手記、書簡、原稿などへのメモは個別の作家の作品や活動を問うために活用されることが多かった。このたびの特集では、今日の研究潮流を受け、個人の記録やそこから生まれた作品から、多様な研究上の視点を見出したい。それは個人の語りや書くという行為を改めて問い直すことでもあり、時代や地域、社会、ジェンダー、メディア、人的ネットワークなど様々な分析の観点を誘発するものでもある。作家やその周辺の人々の日記・書簡は全集などに収録され、出版流通することで広く読まれるようになるが、そのことは出版文化史、あるいは近代文学研究における一次資料という問題とも関わるだろう。改めて作家やその作品と、一人称の資料の関係について再検討する機会にもなると考える。
個人の記録が研究に活用されるようになった背景には、デジタル環境の整備によるデータベースの拡充や資料公開が進んだことも大きい。インターネットでは、日記をはじめとする様々な記録が大量に公開され、コロナ禍を経てその動きは活発化している。人は日々なぜ書き、残すのか。本特集は様々な時代、領野にまたがる視点から、改めて近現代文学研究を問うことを目的としている。
記
一、締切 2026年6月15日(月) 正午必着
一、応募方法 新投稿規程を参照
『日本文学』編集委員会
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