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10月号特集 文学から「平和」を問う


 いつの時代も犯罪、災害、紛争と不安をかき立てる話題が絶えることはない。そうした中、人々は常に「平和」を願ってきた。その用例は古く、『史記』などにみえ、無事安穏を指す言葉であった。また、南北朝時代の説話集『神道集』巻一〇・五〇「諏訪縁起」では、兄弟仲が平穏であるという意味で用いられている。まさに「平和」とは日々の生活の安寧なのである。他者と認め合い、協力し合い、普通に生活できることを、人々は願ってきたのだ。人が「平和」を願うことは普遍的なテーマであり、時代区分を超えた議論が期待できよう。そこでは「先行き不透明」な状況で、文学研究から何が訴えられるのかが問われているのだ。
 また、「平和」の裏にはどうしても戦争が垣間見える。実際に、近代になると戦争がないことが「平和」の第一義になってくる。その一方で、たとえば戦後の「平和」への異議申し立てや、「平和」な状況の裏面にある緊張関係などは、現在に至るまで連綿と描かれている。『日本文学』2024年10月号において「戦争と文学」の特集が組まれたが、世界情勢はさらに悪化の一途をたどっているようにしか思われない。とくに最近は力による支配が公然と行われているのが現状である。支配による安定は果たして「平和」なのか。
 昨2025年は終戦80年、また「昭和100年」とも呼ばれた節目の年であった。それはまさに実際に戦争を知らない人たちの時代の到来と言ってもよい。その節目から一年が過ぎ、日本文学という学問領域から、どのように新たな未来を形作るのか示していく必要性があるだろう。国語教育の教材にも、戦争はもちろん、不安、不穏を題材としたものは多い。教材や教育方法の変遷から、「平和」を捉えなおすことも可能だろう。また、自分事として「平和」を理解・表現するうえで、国語の力は欠かせないはずだ。
 今だからこそ、文学から「平和」とは何かを問う機会を持ちたい。


       記

 一、締切 2026年7月15日(火) 正午必着

 一、応募方法 新投稿規程を参照


『日本文学』編集委員会


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