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10月号特集 戦争と文学


 ウクライナ、ガザ地区のみならず、世界の各地で深刻な対立、自分たちとは異なる者たちの排除、紛争が起こり、連動して「戦争抑止力」としての兵器の増強が展開されている。「防衛力整備」を進める日本もまた、この世界情勢の一翼を担っていると言わざるをえない。もはや「新しい戦前」どころか「戦中」であるとさえ指摘される。地球規模の戦争状況に対して、文学こそ、文学研究こそ、向き合うべきであろう。本年一〇月の統一・横断テーマ号は、「戦争と文学」というテーマを掲げる。
 戦争という語が列島上の作品のなかで用いられるのは江戸期以降であるにしても、日本文学には戦争ないし戦争に類する事象があふれている。たとえば『古事記』のいわゆる「国譲り神話」や、八世紀の諸書にみえる「まつろはぬ人」や「神」らの平定は戦争状況を語っていないか。物語類において儀仗としてであれ、貴公子が太刀や弓矢を身に帯びる姿が語られるのはなぜであろう。平安期から中世にかけて軍記が語られ、記されるのは、戦死者の鎮魂のためなのであろうか。源平合戦や曽我兄弟などの仇討ちは読み物として、芸能として享受され続け、プロパガンダとして利用されもする。近現代の小説や詩歌は世界戦争と直接・間接的にいかに関わり合っているだろう。国語教育・文学教育は戦争文学を前にして、何を教え、次世代の思考へ向けてどのような働きかけができるだろう。
 口頭での語りや歌を含め、時代区分やジャンルの相違を超え、未来を見据えた視点も必要になろうか。批評眼をそなえた戦争文学論の可能性を開くべく、このテーマを設定した。


     記

 一、締切 2024年7月15日

 一、枚数 35枚(400字詰)以内

『日本文学』編集委員会


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