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5月号特集 戦乱―変革期の中世文学


中世は戦乱のうち続いた時代であった。中世における戦乱は、従来、承久の乱、元弘の乱、享徳の乱、応仁の乱、嘉吉の乱など、その多くに「乱」という名が与えられてきた。この「乱」という呼び名は、しばしば、紛争当事者の一方を「反乱者」と位置付けて紛争を理解しようとする方向性を有している。当事者の一方を貶めるような決めつけは、今日の国際紛争においても往々にしてみられるものであり、そのような方向づけを越えた客観的な視点を持つことが重要であろう。
 また、「乱」においてはそれぞれの戦乱で起きた合戦の推移など事件そのものが焦点化され、その前後の脈絡が見失われがちである。しかし、それらの戦乱には当然のことながら、それぞれに異なる政治的背景や、結果がもたらした社会変動が存在している。乱・変・役をいずれも変革の画期と考え、それらを「変革期」という中立的・巨視的な視点を持つ語で捉えなおすことで、戦乱の持つ意味やその表現を再検討することができるのではないだろうか。
 近年、歴史学の分野において、中世の戦乱を扱う著作が続々と刊行され、研究の見直しが進んでいる。今回の特集では、それらの歴史学による成果と文学研究をどのように結びつけるかも課題としたい。戦乱を題材として描く軍記物語のみならず、戦乱における人間の姿を描く能や、戦乱が和歌に与えた影響など、多方面からのアプローチが可能であろう。幅広い分野からの投稿を期待している。

     記

 一、締切 2023年2月15日

 一、枚数 35枚(400字詰)以内

『日本文学』編集委員会


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