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11月号特集 教材としての「現代文」
――文学・評論テクストをめぐる研究と実践の成果――


 2022年度から始まった新学習指導要領下での高校一年国語「言語文化」という科目では、評論文以外の近現代文、殊に小説や詩・短歌や俳句などの文学作品教材が、古文・漢文とともに押しこめられたように見える。この科目構成により、「言語文化」の授業のなかで作品教材を丹念に読み解く時間の不足や、授業方法に強いられる変化などを懸念する声があり、盛んな議論が続いている。この一年、あるいはこの数年で、はたしてどのような影響が起こりつつあるのか、現在進行形の課題として目を凝らしていかねばならない。このことは引き続き、2023年度から始まる「文学国語」「論理国語」「古典探究」の授業方法から、「現代の国語」とのバランス、さらには小中高の国語科カリキュラム全体への問題にまで波及していくと予想される。
 2022年11月号特集で報告された、古典教材『伊勢物語』をめぐる意欲的な諸論考は、「教育現場とテクスト研究との対話、衝突、融和」のもたらすものの重要性を、強く認識させるものであった。そこで今年度の11月号は、近現代の文学作品あるいは評論教材の読みと指導に関わる論考を募集し、新学習指導要領下での授業実践の報告、教材研究の試みについて、問題提起や情報交換を行う特集としたい。
 テクストの解釈は歴史的なコンテクストが影響を与える。現在の激動する世界情勢においては、数年前には予想もされなかったテクストの解釈が、急速に起こりつつある。感染症禍や戦争、災害、様々な社会の歪み、欺瞞や抑圧、生命の不安などの今日の諸問題に、学習者=読者は自覚の有無にかかわらず否応なく取り巻かれている。そのような状況にある学習者の「読み」やことばの力を育むために、新課程の教科書に採用される現代文教材をどのように生かすことができるか。教材がもたらしうる「論理的な思考力育成」の可能性と期待、あるいはその限界や問題点についても考えたい。今日の研究成果や教材の学習指導方法の実践例に基づく、積極的な投稿を期待する。


     記

 一、締切 2023年8月15日

 一、枚数 35枚(400字詰)以内

『日本文学』編集委員会


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