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11月号特集 教材としての『伊勢物語』を/に/と/で学ぶ

 
   「大山鳴動して…」とはこのことかと思った人も多いのではなかろうか。二〇二二年度から使用開始となった「言語文化」「現代の国語」の教科書である。「国語総合」の評論、小説、古典の教材が多く流用されている。これは新学習指導要領への叛乱なのか、器用仕事(ブリコラージュ)なのか。
 教育の現場でどのような実践が行われているのかを「文学」研究者が知る機会は少ない。反対に研究の最先端を意識的に吸収しようとしている教師も多くはないのではないか(十年一日のごとく古い定説に則って授業をしていないだろうか)。また両者ともに、教科書や指導書(教え方の定番)への不満もあるだろう。
 つねに言われている教育現場とテクスト研究との対話、衝突、融和が、思うようには実現できていないのではないか。今回のテーマは、教育と研究とをつなぎ直す試みである。教育現場が必要としている情報がどのようなものなのか、最先端の研究のうち教室で是非使ってもらいたい成果はなにかについての情報交換の場にしたい。また、新しい実践の成果でも、逆にオーソドックスな授業の有効性でも、提示してほしい。
 そこで、定番教材である『伊勢物語』を俎上にあげてみたい。『伊勢物語』には和歌、重要な文法・敬語が多く、また読解には古典常識や知識が必要である。加えて、教科書によって採用される部分(後日談はカットされたりする。あるいは句読点の打ち方が違う)がまちまちである。同じ土俵の上で何ができるのかを示すためにも「言語文化」(「古典探究」でも)の教科書で採られる章段を対象としてほしい(「芥川」「東下り」「筒井筒」や「初冠」「小野の雪」など)。ここから、他の作品にも応用可能な〝なにか〟を見つけだすきっかけになればと考える。『伊勢物語』を使って、『伊勢物語』を教える/学ぶことを通して、教室で使える新しい研究の成果、新しい教育の実践の成果を、『日本文学』誌上でぶつけあいたい。研究と教育を拓く精力的な投稿を期待する。
     
     記

 一、締切 2022年8月15日
 一、枚数 35枚(400字詰)以内

『日本文学』編集委員会


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