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11月号近代特集 

モダニズム期における社会と芸術の〈交通〉

 百年に一度といわれる金融危機による不況は、直前の小泉構造改革と複雑に絡み合いながら、社会的なシステムの再構築に苦しむ状況を作りだしている。一方、文学を含むメディアの世界では、それ以前からのインターネットの普及やサブカルチャーのメインストリーム化によって、既存の価値観や流通の形態にいたるまで変容を迫られ、それは当然のことながら文学研究にも及んでいる。
 文化の総体は、経済の動向から影響を受けると共に、内側からシステムの見直しを迫られる。そうした見地から観て、一九二九年の世界恐慌を前にした百年前の時代はどうだったのであろうか。モダニズム文化が既存の文化と衝突する一九一〇年代から一九二〇年代にかけては、新たなシステムの構築を模索し、やがては壁に突き当たる時代であったといえよう。
 『日本文学』では、昨年度「近現代文学における〈交通〉」をテーマにして特集を組み、時間・空間の両面における他世界との接触をとらえ直すことを試みた。今回、文学と他世界との〈交通〉のテーマを引き継ぎながら、世界恐慌に至るこの時代(一九一〇〜二〇年代)における文学を取り巻く諸状況を再検討していきたい。文学雑誌をはじめとして総合誌や大衆文学・少女雑誌などを含めた出版メディア、映画・ラジオなどの諸メディアとの〈交通〉や、広告、ファッションなど他ジャンルとの〈交通〉を扱うことで見えてくる家族やジェンダー意識など、モダンと伝統がぶつかり合うこの時期を対象に、広く文学と消費文化との関わりを指摘する意欲ある論文を期待したい。

     記
 一、締切 2009年8月20日
 一、枚数 30枚(400字詰)程度 
                                 『日本文学』編集委員会

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