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西山康一著『芥川龍之介の〈他者〉表象
――〈歴史〉・〈異性と異国〉・〈狂気〉――』■

2026年2月5日 翰林書房刊 422頁 4500円+税


凡例
序章


第一部 歴史の中の〈他者〉

第一章 「羅生門」論――〈古典〉をめぐる同時代状況から
 一 “芥川『今昔』発掘説”という神話
 二 〈古典〉をめぐる国文学のまなざし
 三 民俗学と『今昔』
 四 芥川と柳田國男
 五 「羅生門」の下人における〈心〉の描写
 六 同時代の歴史小説の理想と「羅生門」

第二章 「地獄変」論――『大阪毎日新聞』での戦略
 一 原稿から浮かび上がること
 二 薄田泣菫と『大阪毎日新聞』夕刊創作欄という場所
 三 「地獄変」の戦略――「日向の説明」と「影の説明」の再検討から
 四 新聞小説としての技巧――「二つの手紙」との連続性

第三章 芥川龍之介にとっての歴史小説――「西郷隆盛」「六の宮の姫君」を中心に
 一 歴史小説をめぐる芥川の変容
 二 「西郷隆盛」の提示する世界
 三 歴史への懐疑、相対主義的歴史観
 四 「六の宮の姫君」における人物描写
 五 〈他者〉化される姫君
 六 歴史の中の〈他者〉を描くことの重要性


第二部 異性・異国としての〈他者〉

第四章 「秋」論――芥川作品の語り出される〈場所〉
 一 「秋」の先行研究と本書のもくろみ
 二 信子の〈主体〉と解釈共同体
 三 「犠牲」が孕む矛盾、その結果としての〈主体〉の拡散
 四 「秋」における語り手と「自叙伝体小説」を書けない信子
 五 永遠の脱構築の先に見出される芥川作品の立脚地

第五章 「南京の基督」論――「幻想」/「迷信」としての〈中国〉
 一 同時代の日中関係と「南京の基督」
 二 意識されない文化の差
 三 〈宗教〉と〈催眠術〉
 四 〈科学〉が〈帝国主義〉と結びつく時
 五 作品の構造と受容のズレから見えるもの

第六章 「奇怪な再会」論――〈狂気〉と帝国主義
 一 「奇怪な再会」における反戦・反帝国主義の意義と可能性
 二 〈狂人〉に追い込まれるお蓮(一)――「南京の基督」の金花との比較から
 三 〈狂人〉に追い込まれるお蓮(二)――語り手の位置
 四 啓蒙・保護という名の帝国主義

第七章 芥川の中国旅行記をめぐって――「上海游記」を中心に
 一 芥川の中国旅行記の問題点
 二 “不潔さ”“醜悪さ”の裏にあるもの
 三 “越えられない壁”の意識と「日本人」性
 四 〈自己相対化〉の持つ意味
 五 帝国主義と〈自己相対化〉の手法


第三部 狂気という名の〈他者〉

第八章 「二つの手紙」論――〈狂気〉とスキャンダリズム
 一 「二つの手紙」の読まれ方
 二 第一の手紙――加速する〈狂気〉の疑いと〈物語〉創造の欲望
 三 第二の手紙――〈狂気〉と「伝染病」の結びつく時
 四 スキャンダル化される〈狂気〉
 五 〈狂気〉を可視化するための装置としての手紙公開形式

第九章 「誘惑」・「浅草公園」論――表現主義と〈筋のない小説〉・〈詩的精神〉
 一 芥川にとっての〈筋〉
 二 二つのシナリオと〈筋〉
 三 〈個々の場面における筋〉への配慮
 四 映画界と芥川
 五 芥川が映画シナリオに求めたもの
 六 セザンヌの「色彩」に込められた意味
 七 時代と作品の限界

第一〇章 「歯車」論――同時代の精神医学と芥川の〈狂気〉観の変容
 一 芥川と精神医学
 二 『若い芸術家の肖像』と『神経質及神経衰弱症の療法』と「歯車」
 三 揺らぐ境界線
 四 浮遊する〈ノイズ〉と〈妄想〉的現実認識
 五 「僕」の錯綜する〈主体〉と〈歯車的運動〉
 六 「四」の持つ意味――物語の起伏
 七 モチーフの〈反復〉が果たす役割
 八 晩年の芥川が描く〈狂気〉

終章 補論・資料
 〔補論〕 「誘惑」の生成過程――〈原「誘惑」後半部〉について
 〈資料1〉明治初年から大正四年までの『今昔物語集』の本文紹介並びに研究を主とする著作の出版状況
 〈資料2〉明治初年から大正四年までの日本文学史関連書籍〈含教材〉における『今昔物語集』の取り扱い状況

主要参考文献一覧
初出一覧
あとがき
人名索引・芥川作品名・著作名索引



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