■新・フェミニズム批評の会編『現代女性文学論』■
2024年12月10日 翰林書房刊 286頁 3600円+税 |
はしがき
Ⅰ 越境・攪乱するジェンダー/セクシュアリティ
笙野頼子『母の発達』
――〈母殺し〉という居場所さがし(矢澤美佐紀)
記憶・物語・産むこと
――川上未映子『夏物語』のケアとクィア(藤木直実)
小川洋子『妊娠カレンダー』
――妹の〈目的のない悪意〉(溝部優実子)
角田光代『八日目の蝉』
――新たな「母性」の向かうところ(西荘保)
金原ひとみ『マザーズ』
――新自由主義下の母たち(永井里佳)
コラム 「ポストフェニズム」(小林富久子)
コラム LGBTからSOGIへ(渡辺みえこ)
Ⅱ 変容する家族とケアの倫理
江國香織『きらきらひかる』『ケイトウの赤、やなぎの緑』
――近代結婚制度を超えて「ケアの絆」へ(岩淵宏子)
松浦理英子『最愛の子ども』
――反転していく「家族ごっこ」の行方(近藤華子)
群ようこ『パンとスープとネコ日和』
――新しいシングル像(羅麗傑)
中島京子『長いお別れ』論
――在宅介護に焦点を当てて(石田まり子)
若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』
――「これがらの人」の行く道(菊原昌子)
コラム コロナ禍と女性(松田秀子)
コラム ネオリベラリズムとプレカリアート(秋池陽子)
Ⅲ 紡がれる記憶/記憶の継承
谷崎由依『遠の眠りの』
――〈行きつ戻りつ〉する者の物語(上戸理恵)
須賀敦子「ふるえる手」論
――ナタリアの帽子(山﨑眞紀子)
柳美里『JR上野駅公園口』
――トラウマの語りから「世界文学」へ(真野孝子)
高山羽根子『首里の馬』
――〈「拡張」する人類〉の指針としての物語(山田昭子)
コラム 3・11とディストピア小説
――多和田葉子『献灯使』(北田幸恵)
コラム 少女マンガと現代女性文学(小林美恵子)
Ⅳ 短歌・演劇表現から探る現代
高木佳子の短歌世界
――沈黙の構図に抗するために(遠藤郁子)
美智子皇后の短歌
――「平和祈念」「慰霊」の短歌を中心に(内野光子)
永井愛「見よ、飛行機の高く飛べるを」論――〈新しい女〉たちの絆と岐路(有元伸子)
研究ノート 今村夏子『こちらあみ子』
――応答の記憶から生成する「あたらしい娘」(但馬みほ)
研究ノート 森崎和江『売春王国の女たち 娼婦と産婦による近代史』
――国家による性の管理(中村純)
コラム 一九九〇年代以降の女性短歌の動向
――フェミニズムの視点から(阿木津英)
コラム 現代女性詩の動向
――多様化と抑圧の二面性の中で(佐川亜紀)
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