■牧千夏著『農村青年の文学
――昭和初期の農村アマチュア作家と宮沢賢治――』■
2023年12月25日 ひつじ書房刊 389頁 7200円+税 |
凡例
序章
0 はじめに
1 農村文学のあゆみ
2 書き続けられた農民文学研究
3 宮沢賢治は農村アマチュア作家
4 農村で思想・経済・文化をつなぐ産業組合
5 本書の構成
第1部 農村青年の文化活動
第1章 岩手県における経済的・教育的な階層とその役割
0 はじめに
1 宮沢賢治の階層とその役割
2 花巻農学校の生徒の階層
3 おわりに
第2章 岩手の教員による教育論――新教育運動と「農民芸術概論綱要」
0 はじめに
1 「農民芸術概論綱要」の先行研究
2 「農民芸術」を講義した岩手県国民高等学校
3 「農民芸術概論綱要」における個性と芸術
4 岩手の教育
5 国家主義との距離
6 おわりに
第3章 農学校教師の詩――『春と修羅 第三集』と気象学
0 はじめに
1 「春の雲に関するあいまいなる議論」
2 「県技師の雲に対するステートメント」
3 おわりに
第4章 農民の詩――『春と修羅 第三集』と渋谷定輔『野良に叫ぶ』
0 はじめに
1 「水汲み」
2 「〔西も東も〕」の改稿
3 擬人法評価の難しさ
4 おわりに
第2部 中央文壇との関係
第5章 文壇における農民文学論争
0 はじめに
1 農民文学論争の時代区分と特徴
2 小牧近江によるプロレタリア文学派
3 中村星湖による郷土芸術派
4 生田長江の文明批評派
5 1926年以後の農民文学論争
6 おわりに
第6章 農民文学論争と「農民芸術概論綱要」の関係
0 はじめに
1 文明批評派と農民芸術論
2 アナキズム系郷土芸術派と農民芸術論
3 農民文学論争と農民芸術論
4 おわりに
第7章 『赤い鳥』と『注文の多い料理店』の擬人化表現
0 はじめに
1 宮沢賢治の擬人化表現
2 『赤い鳥』と『注文の多い料理店』との比較
3 描写の質を比較する
4 おわりに
第3部 産業組合の文化運動との関わり
第8章 産業組合における思想的・文化的展開
0 はじめに
1 産業組合主義の成立
2 産業組合主義の趣旨と宣伝
3 産業組合主義の思想的・文化的展開
4 おわりに
第9章 産業組合に惹かれた作家――賀川豊彦・平塚らいてう・宮沢賢治
0 はじめに
1 産業組合と左翼運動
2 彼らのとった過程
3 おわりに
第10章 農村青年の希望――賀川豊彦「乳と蜜の流るゝ郷」と『家の光』
0 はじめに
1 なぜ『家の光』が注目されてきたのか
2 農民読者の共感
3 農民読者の同情
4 おわりに
第11章 地域志向の農本主義――「ポラーノの広場」と『家の光』
0 はじめに
1 「ポラーノの広場」における農本主義
2 『家の光』にみる国家主義的農本主義
3 『家の光』にみる農民の農本主義
4 おわりに
第12章 『北方詩人』と詩「産業組合青年会」――東北詩壇の地域志向
0 はじめに
1 地方詩壇の活況
2 地方詩壇と宮沢賢治
3 「産業組合青年会」
4 『北方詩人』と「産業組合青年会」
5 おわりに
第13章 『北方詩人』における同人の交流――東北アマチュア詩人の同人誌活動
0 はじめに
1 『北方詩人』と福島詩壇
2 同人と『北方詩人』の系譜
3 『北方詩人』の特徴
4 おわりに
終章 主体的な農村文学
1 農村の人々の表現を評価する方法
2 農村の人々の表現が示す可能性
謝辞
参考文献
初出一覧
索引
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