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■高橋早苗著『源氏物語の戦略 引用と反復』

2024年5月25日 文学通信刊 326頁 5500円+税


序章 『源氏物語』の戦略と読者
 一、〈引用〉と読者/二、〈反復〉と読者/三、本書の構成と概要――〈引用〉と〈反復〉の効果

第一部 〈引用〉という戦略――隠されたメッセージ
 第一章 紅の衣装と涙の和歌――末摘花の姫君の失敗
   一、「末摘花」とは
   二、末摘花巻の姫君の和歌と装束
   三、姫君と「紅の涙」
   四、「紅の涙」と「末摘花」
   五、光源氏の対応
   《付・「紅の涙」の用例――勅撰集と私家集における――》
 第二章 「梅」を「かざし」た和歌――御仏名の系譜と光源氏の〈老い〉
   一、幻巻の光源氏
   二、御仏名と「梅」
   三「梅」を「かざす」
   四、光源氏の〈老い〉
   五、普遍的な姿
 第三章 藤壺とかぐや姫――『竹取物語』と朝顔巻の出現の意義
   一、亡き藤壺の出現
   二、「月」「かかやく日の宮」とかぐや姫
   三、朝顔巻の冬景色と『竹取物語』
   四、「罪」「この世の濁り」とかぐや姫
   五、人間へのまなざし
 第四章 「枯れゆく」宇治の大君――『白氏文集』「婦人苦」と最期の問いかけ 
   一、宇治の大君の求婚拒否
   二、総角巻の死の描写
   三、平安朝における「枯る」の様相
   四、「ものの枯れゆくやうにて」と「枯死猶抱p節」
   五、最期の問いかけ
 第五章 「日」と「露」の情景――『観普賢経』と紫の上の死の形容・光源氏の生 
   一、御法巻の八月一五日の情景
   二、紫の上死後の「日」と「露」の情景
   三、『観普賢経』と紫の上の死の形容表現
   四、『観普賢経』と光源氏の生
   五、さらなる地点へ

第二部 〈引用〉という戦略――物語のその後
 第一章 琴を奏でる男、賞賛する女――司馬相如伝と若紫巻での出会い 
   一、若紫巻と漢籍
   二、琴を奏でる光源氏
   三、平安朝の物語における琴弾奏
   四、『史記』『漢書』司馬相如伝における琴弾奏
   五、二人の行く末
 第二章 「家鳩」のいる邸――『法華経』「譬喩品」と夕顔巻の光源氏 
   一、光源氏の回想
   二、夕顔巻の「家鳩
   三、「鳩」の文学史
   四、『法華経』「譬喩品」と夕顔巻
   五、「光る源氏」のもう一つの姿
 第三章 継母との養親子関係――『史記』「呂不韋列伝」と明石の姫君の立后 
   一、『源氏物語』と史書・漢籍
   二、明石の姫君の「后」への階梯
   三、物語と史実における養子
   四、『史記』「呂不韋列伝」における養子
   五、特異な栄華の物語

第三部 〈反復〉という戦略――浮かび上がる差異
 第一章 若紫巻の嵐の夜の「うたて」――「教へ」いそぐ光源氏 
   一、問題の所在
   二、「教へ」る光源氏
   三、嵐の夜の「うたて」
   四、繰り返される「教へ」
 第二章 『源氏物語』の「たぐひなし」――紫のゆかりの女君たち
   一、桐壺巻の「たぐひなし」
   二、「たぐひなき」人――藤壺
   三、「たぐひなき」人――紫の上
   四、「たぐひなき」人――女三の宮
   五、続篇の「たぐひなき」人
   六、意図的な形容表現
 第三章 繰り返される二人妻説話――若菜上・下巻における紫の上の苦しみ 
   一、問題の所在
   二、二人妻説話との類似
   三、二人妻説話の変容
   四、病に倒れる紫の上
   五、物語展開の方法
 終章 『白露』の試みと読者――昔の物語に怯える男君と女君 
   一、『白露』について
   二、継子いじめと兄妹懸想
   三、男君の「心」
   四、「吹まよふ風の心」の和歌
   五、「嫁女」が読む物語
 附 誰の「あはれ」か――『白露』「思ひ知れ」歌の解釈をめぐって 
   一、問題の所在
   二、「思ひ知れ」が指し示すもの
   三、「露のあはれ」の解釈
   四、物語展開との関わり
   五、男君の和歌

 初出一覧
 あとがき
 索引(人名・書名)


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