■金ヨンロン著『文学が裁く戦争――東京裁判から現代へ』■
2023年11月17日 岩波書店刊 226頁 960円+税 |
はじめに
第一章 東京裁判と同時代作家たち
1 傍聴人としての作家たち――川端康成、大佛次郎
2 裁判が残すもの――中山義秀、中野重治、宮本百合子
3 文学の前景としての戦争裁判――梅崎春生、久生十蘭、林芙美子
第二章 BC級裁判が突きつけたもの(一九五〇年代)
1 スガモプリズンの群像――火野葦平『戦争犯罪人』と安部公房「壁あつき部屋」
2 BC級裁判と女性たち――大原富枝「巣鴨の恋人」と樋口茂子『非情の庭』
3 捕虜問題とレイシズム――遠藤周作『海と毒薬』と大江健三郎「飼育」
第三章 裁かれなかった残虐行為(一九六〇年代)
1 アメリカの残虐行為を問う――堀田善衞『審判』
2 植民地支配責任を問う――小田実「折れた剣」
第四章 ベトナム戦争とよみがえる東京裁判(一九七〇年代)
1 舞台で再演される東京裁判――木下順二『神と人とのあいだ』
2 推理小説が再召喚する戦犯――松本清張「砂の審廷」
3 伝記小説が再召喚する戦犯――城山三郎『落日燃ゆ』
第五章 経済大国と混迷する戦争裁判観(一九八〇年代)
1 ノンフィクションの時代と戦争裁判観の更新――大岡昇平『ながい旅』
2 「勝者の裁き」論から「東京裁判史観」へ――江藤淳『閉された言語空間』
3 ポスト戦後文学――村上春樹「羊をめぐる冒険」
第六章 記憶をめぐる法廷(一九九〇年代から二〇〇〇年代)
1 戦時性暴力の証言と文学――川田文子の聞き書き
2 普通の人々を巻き込む再審――井上ひさしの東京裁判三部作
第七章 戦争裁判と文学の今と未来(二〇一〇年代以降)
1 戦争裁判を描いた日本文学の現在
2 再審としての読み――世界文学へ
おわりに
主要参考文献
図版出典一覧
あとがき
略年表
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