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■府川源一郎著
『国語教科書の近代史――小学校入門教材の変遷を読む』

2024年9月1日 大修館書店刊 286頁 2200円+税


はじめに

第一章 近代教育の露払いとしての啓蒙書
 福沢諭吉による言語教科書
 福沢諭吉の俗文主義・現実主義・批評意識
 古川正雄の『ちゑのいとぐち』
 鳥山啓の仮名文字教科書

第二章 近代公教育の始まり その一――「五十音図」と「単語図」
 近代国語教育最初期の冒頭教材
 国学音義派の「五十音の図」
 いろは四十七文字
 School and Family Charts No.1と「単語図第一」

第三章 近代公教育の始まり その二――『小学読本』と『小学読本』
 田中義廉編『小学読本』の冒頭教材
 欧化主義への反発
 英語読本から国語読本への「翻訳」
 「大改正本」の改訂思想
 榊原芳野等編『小学読本』の冒頭教材

第四章 国家教育の礎が固まる――検定制度前期の読本
 『読書入門』の冒頭教材
 『読書入門』教授の「真性の順序」
 『尋常小学読本』に登場した昔話教材
 文部省による二系統の言語教科書

第五章 明治検定中期と後期の民間読本の様相
 検定中期――西澤之助の『尋常小学読本』
 検定後期――学海指針社(集英堂)と金港堂の読本、冨山房の「坪内読本」
 検定後期――樋口勘次郎の統合主義
 樋口勘次郎編『尋常国語教科書』の冒頭教材
 教科書統合の原理

第六章 第一期国定国語教科書「イエスシ読本」
 『尋常小学読本』冒頭教材の思想
 「訛音矯正」のプログラム
 『尋常小学読本』冒頭教材への疑問
 『尋常小学読本』の改訂作業とその頓挫

第七章 第四期国定国語教科書「サクラ読本」
 コペルニクス的転回と称された「サクラ読本」
 「サクラガサイタ」への示唆
 「サクラ読本」の冒頭教材と生命主義
 「サクラ読本」の「児童中心主義」

第八章 第五期国定国語教科書「アサヒ読本」
 図から始まる『ヨミカタ』の冒頭
 ラジオの声・レコードの声
 冒頭教材(第三教材)の文字と声
 「アサヒ読本」の位置

第九章 植民地の「国語」の読本
 台湾総督府による「国語」教育
 『台湾教科用国民読本』の冒頭教材
 朝鮮総督府による「国語」教育
 第一期『普通学校国語読本』の冒頭教材
 第二期『普通学校国語読本』の冒頭教材
 南洋群島の国語読本
 旧満州国の『満州補充読本』

第一〇章 戦後教育の出発と第六期国定国語教科書「いいこ読本」
 戦後教育の方向を示す「冒頭」宣言 第六期国定国語教科書「いいこ読本」
 基調としての「童心主義」
 「みんな いい こ」の思想

第一一章 経験主義国語教育の展開とその終焉
 『まことさん はなこさん』の作製とその学習
 「文字主義」の反省
 「語形法」による文字指導
 経験主義による民間教科書の入門期教材
 「語形法」への疑問と仮名文字の体系的指導
 経験主義国語教育から能力主義国語教育へ

第一二章 入門期国語教材の定着と安定
 「国語入門期教材」の定着
 小学校一年国語教科書『にほんご』の発想
 『にほんご』の提起したことばの教育の可能性
 日本語ブームと伝統回帰
 「伝統的な言語文化」の登場

第一三章 共生社会の創造に向かう国語教科書
 図像表現に目を向ける
 印刷技術と活字
 方言観の移り変わり
 方言やアイヌ語の教材化と「やさしい日本語」
 インクルーシブなことばの教育へ

おわりに
あとがき
初等国語教科書に関する略年表
掲載図版出典一覧
索引(人名索引・書名索引・事項索引)


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