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大野雅子著『母なる海 『豊饒の海』にみる三島由紀夫の母恋い』■

2022年10月31日 PHPエディターズ・グループ刊 287頁 2000円+税


第一部 『春の雪』における「優雅」

第一部序 映画『春の雪』――女性としての他者、他者としての女性
 映画『春の雪』
 レイ・チョウ、『ラストエンペラー』、「他者」としての女性
 映画『春の雪』における聡子のあでやかさ
 声を奪われた植民地としての聡子
 第一部の要約

一章 聡子の「優雅」
 「優雅」とは「禁を犯すこと」
 「サバルタン」としての聡子
 聡子の失われた声
 聡子の「優雅」に内在する〈官能〉
 聡子は〈深情の女〉

二章 追いかける女と逃げる男の構図
 「悲恋」の異なる解釈を探る
 〈深情の女〉一――『牝犬』の章子
 〈深情の女〉二――『親切な機械』の鉄子
 「死への浪曼的衝動」

三章 「優雅」には〈邪魔物〉が必要
 三島特有の論理と結びつくマゾヒスティックな感情
 「優雅」とは〈情念〉の奔出
 『美徳のよろめき』における〈邪魔物〉と〈情念〉
 「優雅」とは〈官能〉の至上性
 少年三島が待っていた「椿事」
 「言葉」と「現実」の二項対立

第二部 聡子は海になる

第二部序 「海のメタファー」をめぐって

四章 聡子は海になる
 「聡子は、重い充溢のなかで海になった」
 シニフィアンとシニフィエ
 「不透明なシニフィアン」

五章 聡子は尼になる
 「船」と「重さ」のイメージで語られる二つの場面
 「重い」の二つの意味
 彼岸への旅と愛の旅
 「終南山」と「終南別業」
 「青靄」

六章 聡子はメタファーになる
 「水の流れるように」
 硯の海
 桟橋を歩く聡子と蓼科の舟
 清顕の「恋の海」

七章 〈男の背中〉と〈海の彼方〉
 「海の蟲惑」、『午後の曳航』における〈海の彼方〉
 『真夏の死』における「波打際」
 『愛の渇き』における集団的「陶酔」
 『複雑な彼』『夏子の冒険』『愛の渇き』における〈愛の不可能性〉

第三部 聡子は母になる

第三部序 三島の〈母恋い〉

八章 聡子は清顕を否定する
 「……松枝さんという方は、存じませんな」
 〈海の彼方〉に行った聡子
 「現象それ自体における差異」
 『太陽と鉄』における「言葉」と「現実」
 〈情念〉のありか
 『禁色』における「見ること」と「見られること」
 『天人五衰』における「認識」の瓦解

九章 聡子は母になる
 聡子のメトニミーとしての「死」
 本多の母が作ったホットケーキ
 『岬にての物語』における「母」のイメージ
 『椅子』における祖母と母の〈深情〉
 『岬にての物語』における近親相姦――母と妹の置換
 聖なる近親相姦一――『家族合せ』と『音楽』
 聖なる近親相姦二――『春の雪』の清顕と聡子
 母胎に絡めとられる恐怖
 レオナルド・ダ・ヴィンチの聖母子像における抑圧する母

〈巻末付録〉 三島由紀夫作品あらすじ


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