■佐藤泉著『死政治の精神史 「聞き書き」と抵抗の文学』■
2023年7月31日 青土社刊 431頁 3200円+税 |
序 生きさせる政治、死ぬにまかせる政治、すでに死体とみなす政治
第Ⅰ部 文学史からの問い
1 寂聴の苦闘、浄福の到来
2 強父・阿川弘之、および娘小説の批評性について
3 文学史と地政学 夏目漱石の「日本の開化」
4 八〇年代ポスト・モダニズム再読 バブルと批評
5 私たちはこんな未来を夢見ただろうか 「国語」の戦後史
第Ⅱ部 「聞き書き」と文学史への抵抗
6 越境する日本語 植民二世・森崎和江の思想
7 森崎和江の言語論
8 森崎和江の「二重構造」論 「個」と「集団」を再発明する
9 死んだ肉体による文化批評 七〇年前後の森崎和江について
10 果てなき負債の果て 石牟礼道子『苦海浄土』について
11 とばりの向こうの声を集める アレクシエーヴィチ、「聞き書き」の力
12 記録・フィクション・文学性 「聞き書き」の言葉について
第Ⅲ部 生政治/死政治
13 「犠牲地域」のオリンピック 柳美里『JR上野駅公園口』
14 権力関係を「使用」する 吉田修一『湖の女たち』
15 曖昧な肉 武田泰淳『富士』
16 死ぬにまかせる政治とウィルス禍
17 厳罰主義と生政治/死政治
結 心身の歴史としての文学史、およびその裏側
あとがき
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