ロゴ
Home | About Us | Contact Us | Site Policy | Access Map

■大原祐治著『戯作者の命脈――坂口安吾の文学精神』

2022年5月26日 春風社刊 373頁 4000円+税


序章 作家・坂口安吾の登場
 「坂口安吾」以前
 文学と出会うまで
 アテネ・フランセへ
 新しき芸術の機運

第1章 アテネ・フランセという磁場
 『言葉』『青い馬』の創刊
 文学青年と若き音楽家の交錯
 同級生はモダニスト音楽家
 エリック・サティという選択
 「意味」から遠く離れて
 レトリックとポエジー
 「海の霧」の実験
 音風景の試み
 描写しない芸術
 物語への意思

第2章 長篇小説への野心
 言葉は後だ
 長編小説とメディア
 若手作家たちを取り巻く現実
 新進作家・坂口安吾の場合
 「麓」の試みと限界
 増殖し、逸脱する物語
 再挑戦の条件
 「純粋小説論」への応答
 日中戦争下における出版界の変動
 長篇書き下ろしの季節

第3章 墓標としての物語
 「失敗作」の存在価値
 プロトタイプの放棄から新しい実験へ
 地方新聞社の一九三〇年前後
 捏造される故郷
 ロマンスの不可能性
 自壊する物語 
そして誰もいなくなる
 空虚な言葉

第4章 戦時下の「常人」として
 「美しい物語」のありか
 方法論としての「文学のふるさと」
 四つの挿話と「三つの物語」
 故郷と知性
 「芥川龍之介」の使い方
 「紫大納言」における試み
 「何か書かずにはゐられない」という感覚
 「十二月八日」からの距離
 ガランドウと土器の記憶
 到来しない空襲

第5章 歴史と自伝、あるいは歴史としての自伝
 『現代文学』という居場所
 「現代」と「歴史」のあいだ
 「古都」と「真珠」
 現代史としての自伝
 自伝小説を書くことの意味
 「二十七歳」の試み
 歴史と私的な記憶の交点で

第6章 戦後社会と所有の政治学
 土の歴史と所有
 家庭とエゴイズム
 「卑小な生活」と向き合うこと
 オモチャと遊び
 所有できない影
 売り物であることからの離脱
 鬼との共棲
 寓話としての歴史
 山賊と女
 手に入らない未来
 私有財産と婚姻

第7章 古代史への旅
 所有の歴史/歴史の所有
 「女性時代」と血統主義
 「肉体の思考」と自由意志の(不)可能性
 道鏡という空白
 歴史と探偵
 地理から考える歴史
 飛行機時代の遠近法
 正史に罅を入れる
 収奪に抗する文学的想像力
 神話から小説へ
 探偵と無意識
 探偵が推理できない場所
 音と記憶

第8章 社会批評と(しての)文学
 聖地と公衆便所
 裏日本から南国へ
 反歴史的な近代化
 さまよえる毒消し
 越後のなかの南国
 農村のナマケ者たち
 小市民の幸福
 占領か解放か
 未発の革命
 共産党批判の論理
 問題領域としての農民文学
 農村の理想と現実
 公と私とのあいだ
 結束と排除
 公共性の種子
 解決困難な課題

あとがき
索引


ページトップへのボタン このページのトップへ


Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.