■山根龍一著『架橋する言葉 坂口安吾と時代精神』■
2021年12月10日 翰林書房刊 301頁 3600円+税 |
序章 巨視的な問題と全体の概要
1 安吾作品にとって〈宗教〉とは何か
2 各部・各章の概要
第一部 〈仏教〉とマルクス主義をめぐって
第一章 「木枯の酒倉から」論――〈仏教〉的な文学論とは何か
1 はじめに
2 【独白】について(その一)
3 【独白】について(その二)
4 「木枯の酒倉から」と松浦一『文学の本質』
5 おわりに
第二章 「風博士」を歴史化するために
1 マルクス主義と宗教――一九三一(昭和六)年前後
2 マルクス主義は宗教か
第三章 「風博士」論――福本イズム・小谷部全一郎・浪漫的英雄主義の内在批判
1 はじめに
2 「偉大なる風博士」は何者か
3 「風博士」の方法について
4 「風博士」の批評性について
第四章 「黒谷村」を歴史化するために
1 マルクス主義か〈仏教〉か?
2 宗教(者)とマルクス主義(者)の結合は可能か?
第五章 「黒谷村」論――内在しながら超越する言葉
1 はじめに
2 「黒谷村」のポエジーとは何か
3 “仏教の禁欲主義”について
4 左翼思想と〈仏教〉(その一)――同時代言説から
5 左翼思想と〈仏教〉(その二)――次男と龍然の関係から
6 内在しながら超越する言葉――凡太と龍然の関係から
7 おわりに
第二部 小林秀雄と『近代文学』をめぐって
第六章 「真珠」「堕落論」「いづこへ」を歴史化するために
1 小林秀雄と『近代文学』(その一)
2 小林秀雄と『近代文学』(その二)
3 「真珠」のコンテクスト(その一)――二つの同時代評を中心に
4 「真珠」のコンテクスト(その二)――一九四二年上半期の戦争文学をめぐって
5 「真珠」のコンテクスト(その三)――「ガリア戦記」と「文藝時評」
第七章 「真珠」論――〈軍人と文学者〉の優劣と〈書くこと〉の縮小に抗して
1 はじめに
2 “対比構造”の骨組みについて
3 “対比構造”の肉付けについて
4 「真珠」の批評性(その一)――〈軍人と文学者〉の優劣に抗して
5 「真珠」の批評性(その二)――〈書くこと〉の縮小に抗して
6 おわりに
第八章 「堕落論」論――歴史と人間との関係をめぐる懐疑の方法について
1 はじめに
2 美と歴史をめぐって
3 “私語り”について
4 「堕落」と〈歴史〉の関係について
5 小林秀雄と「堕落論」
第九章 「いづこへ」論――ヒューマニズムとエゴイズムのあいだ
1 はじめに
2 “戦後主体性論争”の可能性と限界
3 「いづこへ」の分析
4 おわりに
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