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坪井秀人編『戦後日本の傷跡』


2022年2月28日 臨川書店刊 368頁 4500円+税


序論 身体としての戦後日本そしてその傷跡(坪井秀人)

第一部
 戦争の傷跡とアジアの中の戦後 傷痍軍人の語る「傷跡」――直井潔の作品とケアの様相をめぐって(市川遥)
 生者を傷つける死者との回路――川端康成『虹いくたび』(葉暁瑶)
 宮尾登美子の満州体験と帝国の傷跡――語られる引揚げ、想起する苦しみ(ニコラス・ランブレクト)
 台湾先住民を日本人にさせる殖民暴力とその傷跡の分有――日本のおかげと恩という語りとの出会い(中村平)
 移動者たちの「在日朝鮮人文学」――「密航」と収容所、そしてアメリカ(宋恵媛)
 「留用」と「引揚げ」――加藤幸子『夢の壁』にみる少女の記憶(解放)
 在韓被爆者支援と文学――深川宗俊と御庄博美(川口隆行)

第二部 傷の記憶と表象
 脚本家水木洋子と戦後社会派映画再考(キツニック・ラウリ)
 母の死とオリンピック――古田幸『おかあさんのばか』のメディア展開をめぐって(鳥羽耕史)
 レイプの位相と男性セクシュアリティ――大城立裕『カクテル・パーティー』と大島渚『絞死刑』のあいだから(高榮蘭)
 戦争記憶を民話として継承するということ――松谷みよ子等による第二次民話運動の頃を中心に(髙畑早希)
 完結する物語、完結しない声――崎山多美「ピンギヒラ坂夜行」から考える(田村美由紀)

第三部 戦後民主主義――運動と傷跡
 中野重治「雨の降る品川駅」の同時代史(黒川伊織)
 〝カスバ〟とよばれた街――一九六〇年代の雑誌メディアにおける〈釜ケ崎〉の表象(石川巧)
 〈無力なイエス〉と戦後キリスト教界――遠藤周作『イエスの生涯』批判をめぐって(増田斎)
 全共闘運動の傷跡――東大闘争参加者の「その後」から(小杉亮子)
 日本特殊論とトランプ政治――一九八〇年代の傷(辛島理人)

第四部 ジェンダー、生政治と傷跡
 傷を重ねる――森崎和江の聞き書きにみる語り/沈黙/無言(奥村華子)
 森崎和江『からゆきさん』――傷跡のインターセクショナリティ(佐藤泉)
 敗戦のトラウマと性的不能、あるいはエロティックな戦争(光石亜由美)
 サリドマイド事件の傷跡(ホワニシャン・アストギク)
 妻の崩壊――傷跡としての『成熟と喪失』(坪井秀人)
 戦後日本の「ケアの危機」――津島佑子「ある誕生」「壜のなかの子ども」にみる子殺しと障害の交差(飯田祐子)
 社会距離という傷跡――COVID―19の風景(美馬達哉)

 あとがき(坪井秀人)
 執筆者紹介


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