■葛綿正一著『宇治拾遺物語を読む 中世説話論』■
2021年12月10日 翰林書房刊 511頁 14000円+税
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第一部 説話集の方法:『宇治拾遺物語』と交換・パラドクス・自由
Ⅰ 『宇治拾遺物語』の饗応と交換
一 1 大饗・台盤所・饗応
2 様々な課題に向けて
二 1 大食と糞便
2 説話と芥川の小説
3 排泄物の浄化
4 饗応の語誌
三 1 時・非時と僧膳
2 僧膳、湯屋、囲碁
3 言説と糞便
4 台盤所と説話
四 1 吝嗇と無尽蔵
2 『今昔物語集』の事実確認性と『宇治拾遺物語』の行為遂行性
3 食物と交換
4 藁と大饗
五 1 饗応と殺生
2 香りと説話
3 饗応・妖術・供養
4 金属、商い、地蔵
六 1 饗応と生け贄
2 生け贄と誓言
3 贖い、見せかけ、そら入水
4 居行ひと修行、または太ったものと飛び上がるもの
七 1 囲碁、穀断、穀糞
2 青と赤の説話
3 交換と転生
4 夢と説話、または『古代人と夢』再考
八 1 質、饗応、算術
2 算術と説話
3 食物の価値逓減
4 孔子と説話 結語
Ⅱ 『宇治拾遺物語』のパラドクス――場所と移動
一 パラドクスの論理
二 意味の二面性
三 空白の対象
四 移動のパラドクス
五 鹿をめぐる論理と倫理
六 黄金の過剰と不足
七 『宇治拾遺物語』の原理
八 陰陽師と奇行のパラドクス
九 地蔵と供養のパラドクス
一〇 動物とパラドクス
一一 清水寺と表層のパラドクス
一二 入水のパラドクス
一三 質と売買
一四 絵師、能書、算術
一五 孔子と荘子の論理学
Ⅲ 『宇治拾遺物語』と自由 /
第二部 説話集の時代:『日本霊異記』から『沙石集』へ
Ⅰ 『今昔物語集』の構造と方法――『日本霊異記』との比較
補論1 『日本霊異記』と小さなもの
補論2 『今昔物語集』における「塔」
補論3 『今昔物語集』における巻一七の位置
Ⅱ 『古事談』と『古今著聞集』――王権の二つの側面
一 『古事談』の世界――折れ籠もる抄録
二 『古事談』から『宇治拾遺物語』へ
三 『古今著聞集』の世界
四 『日本霊異記』から『古今著聞集』まで
Ⅲ 『沙石集』の論理と修辞――『日本霊異記』との比較
補論1 水波の喩え
補論2 『撰集抄』の秘教的感覚世界
補論3 『発心集』の「アラマシ」 /
第三部 説話集の周囲
Ⅰ 養蚕説話の構造分析――形態と過程
一 形態と過程
二 模範論と連辞論
三 表象の問題
四 再び形態と過程
Ⅱ 『打聞集』小考――説話についての覚書
一 棄老説話の類型論
二 僧と王
三 英雄の最期
四 敬語の偏在
五 潜在的一人称
六 呼称の転換
Ⅲ 宇治十帖の動物コード――『源氏物語』試論
一 猫と犬
二 鳥の主題
三 魚の主題
Ⅳ 木曾義仲と享楽――『平家物語』試論
一 義仲における享楽と笑い
二 享楽と知
三 享楽の転移
四 享楽としての怨霊
五 『今昔物語集』巻二五と享楽
Ⅴ 能狂言論――不気味なものと馴染んだもの
一 『班女』と『花子』
二 能と狂言
三 女と狂言
四 鬼と仮面
五 山伏と座頭
六 冠者と聟
七 動物と狂言
八 市と狂言
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