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岩川ありさ著『物語とトラウマ クィア・フェミニズム批評の可能性』■

2022年10月21日 青土社刊 475頁 3600円+税


はじめに

序章 トラウマを語ることはできるか?
 一、トラウマとともに生き、物語を読むこと
 二、トラウマ研究の歴史
 三、物語の断片化、物語の力
 四、トラウマ的な記憶と時間を語る文法
 五、自伝的クィア・フェミニズム批評
 六、本書の構成

第一章 境界の乗り越え方――多和田葉子『容疑者の夜行列車』論
 一、二人称代名詞と発話の主体
 二、クィアなコードの断片
 三、『容疑者の夜行列車』におけるクィアな身体
 四、舞台を壊し、境界線を変える

第二章 改稿が示す「奇跡」――李琴峰『独り舞』論
 一、死について書くこと
 二、悲劇で終わらない『鰐の手記』
 三、「内離」――規範的な物語を超えて

第三章 上演された自伝、聴き手たち――古谷田奈月『リリース』論
 一、上演された自伝
 二、聴き手がいること

第四章 クィアな記憶の継承――森井良「ミックスルーム」論
 一、「震災後文学論」という視座から
 二、境界線の不安定性
 三、「ミックスルーム」と「リビングルーム」

第五章 「バラカ」から「薔薇香」へ――忘却に抗う虚構の強度をめぐって
 一、「原子力/核」の戦後
 二、名前と物語――ミカ、バラカ、光
 三、象徴化とかけがえのない名前
 四、信頼するに足る大人

第六章 変わり身せよ、無名のもの――多和田葉子『献灯使』論
 一、「不死の島」から「献灯使」へ
 二、環境的危機の時代
 三、不思議な知恵
 四、変わり身せよ、無名のもの

第七章 記憶と核の時代――林京子の仕事をめぐって
 一、記憶と記録
 二、記憶の空白――「祭りの場」冒頭をめぐって
 三、「引用の力」――「長い時間をかけた人間の経験」
 四、傾聴の文学――「再びルイへ。」

第八章 組みかわる物語――大江健三郎「美しいアナベル・リイ」論
 一、先行研究と批評の整理
 二、悪夢と擬声語・擬態語
 三、「「アナベル・リイ映画」無削除版」
 四、「聞き書き」の力、物語の組みかえ

第九章 読みなおすこと、回路をつくること――大江健三郎と「憑在論」
 一、『ロリータ』を介して
 二、『ヒロシマ・ノート』と擬声語・擬態語
 三、「憑在論」の視座から
 四、「総毛立った顔」――少年と少女たちの被傷性

第一〇章 たがいを支えあう言葉の回路――岩城けい『さようなら、オレンジ』論
 一、「二篇の小説」を「たくみに結びつけ」た「中篇小説」
 二、サリマの作文――たがいを支えあう言葉の回路
 三、語りえない彼女の物語――聴くための倫理

第一一章 前未来形の文学――小野正嗣『獅子渡り鼻』論
 一、前未来形とは何か
 二、記憶の空白と前未来形の語り
 三、他者への依存と他者の生への責任

第一二章 記憶を伝えるということ――多和田葉子における「星座小説」
 一、比喩と言語――『雪の練習生』
 二、ホッキョクグマの記憶――伝達される自伝
 三、ともにゆく人のいるエクソフォニー
 四、星は組みかわる――物語の変容可能性」

終章 言葉が生まれ、物語が生まれる
 一、叫びと異議申し立てと悲嘆の文学
 二、サヴァイブする文学、当事者批評
 三、インターセクショナリテイと物語


参考文献一覧
初出一覧
あとがき
索引


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