■高橋幸平・久保昭博・日高佳紀編『小説のフィクショナリティ 理論で読み直す日本の文学』■
2022年8月31日 ひつじ書房刊 342頁 4000円+税 |
序――フィクション論の地平(高橋幸平・久保昭博・日高佳紀)
第1部 フィクション論の争点
フィクションと世界――指示の理論と可能世界(河田学・高橋幸平)
フィクションの語法――虚構性指標をめぐって(久保昭博・日高佳紀)
フィクションと社会――契約/違反のパラダイム(大浦康介)
フィクションの経験――認知・情動・没入(久保昭博・高橋幸平)
第2部 フィクション論は日本文学をどう読むか
Ⅰ フィクショナリティの在処
小説の自意識――森鷗外とフィクショナリティ(大浦康介)
フィクションを生きるために――谷崎潤一郎「秘密」のごっこ遊び(高橋幸平)
フィクション論として読む「純粋小説論」――『紋章』の「私」と横光利一(黒田大河)
〈原稿零枚〉のテクスチュアリティ――小川洋子『原稿零枚日記』と現実性の境界事象(中村三春)
Ⅱ フィクションの作用
フィクションを現実にするとき――桜田百華園「西の洋血潮の暴風」と福島事件(西田谷洋)
漱石は猫の後ろに隠れたか――『吾輩は猫である』における「送籍」問題と倫理(服部徹也)
フィクション論における作者と読者――松浦理英子『最愛の子ども』(飯田祐子)
Ⅲ 交錯する虚実
モデルとフィクションの問題系――島崎藤村「並木」とその周辺(ホルカ・イリナ)
フィクション共有の慣習と不成立――大泉黒石の〈自叙伝〉と〈小説〉(山本歩)
戦略としての「実話」――橘外男「博士デ・ドウニヨールの「診断記録」」に見る仕掛け(西川貴子)
虚構契約としての〈手紙〉――小島信夫『菅野満子の手紙』のフィクショナリティ(笹尾佳代)
Ⅳ リアリズムを超えて
自然主義を超えて――太宰治「女の決闘」におけるフィクションの理論と実践(久保昭博)
大正期視覚メディアとフィクション――稲垣足穂『一千一秒物語』の言語表象(ボーヴィウ・マリ=ノエル)
反リアリズムとしての小説――村上春樹『1973年のピンボール』の時間表象とフィクショナリティ(日高佳紀)
あとがき
読書案内――フィクション論 主要文献(高橋幸平・久保昭博・日高佳紀)
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