■ハルオ・シラネ/鈴木登美/小峯和明/十重田裕一編
『〈作者〉とは何か 継承・占有・共同性』■
2021年3月23日 岩波書店刊 483頁 6700円+税
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はじめに――〈作者〉を再考すること、作者性研究の可能性(ハルオ・シラネ、鈴木登美)
Ⅰ 〈作者〉の位相――創造性と共同性
〈作者〉の複数性、複数の作者性――ジャンル・伝承・借用・参加型文化――(ハルオ・シラネ)
Ⅱ 構築される〈作者〉――テクストの継承とカノン化
〈偽書〉の位相――擬作の回路・憑依する作者(小峯和明)
〈作者〉を創造する――『新唐書』のなかの唐代作家伝記(アナ・M・シールズ)
本と〈作者〉――作品の格と内題との関係(佐々木孝浩)
希求される作者性――物語という散文の成立をめぐって(荒木浩)
コラム 『万葉集』における〈作者〉(トークィル・ダシー)
コラム 聖徳太子碑文と〈作者〉(李成市)
Ⅲ 集団的制作における〈作者〉――創造性のありか
和歌における〈作者〉(渡部泰明)
中世西ヨーロッパにおける音楽〈作者〉の形態(スーザン・ボイントン)
中世絵巻の〈作者〉とその基盤
――「春日権現験記絵巻」と古代宝蔵の再生をめぐって――(髙岸輝)
印章から読み解く〈作者〉像
――集団的制作とアイデンティティの問題――(仲町啓子)
能の〈作者〉(竹本幹夫)
演劇を作るものは誰か(児玉竜一)
東アジア前近代における〈作者〉の語義とその特徴
――近世の戯曲、絵画を例として――(金文京)
Ⅳ 作者性の転回――出版文化と独創の神話
江戸時代の出版文化と〈作者〉(鈴木俊幸)
変装する〈作者〉――上田秋成の小説を例として(長島弘明)
『石頭記』と〈作者〉(商偉)
近世イギリスにおけるジェンダーと作者性(鈴木美穂子)
ヴィクトリア朝イギリスの検閲と作者性
――風刺的批評の媒介――(フランク・パルメリ)
一八世紀ヨーロッパの学芸における作者性と創造性観の変化(ドロテア・フォン・ミュッケ)
コラム 代作と仮託(揖斐高)
Ⅴ 近現代メディアと〈作者〉――テクストの占有と新たな共同性のなかで
翻訳と翻案から見る日本近代の作者性(鈴木登美)
「文学の神様」の創造と忘却
――マスメディアと帝国日本の文学者――(十重田裕一)
映画作家という概念への固執(ジェーン・M・ゲインズ)
中国における映画監督像(銭穎)
匿名的、大規模共同作業的、超人間的(デニス・イ・テネン)
コラム サークル運動と〈作者〉(鳥羽耕史)
コラム マンガとライトノベルの〈作者〉(北村結花)
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