■佐伯真一著『軍記物語と合戦の心性』■

はじめに――本書の内容と構成――　

第一部　軍記物語とは何か
　第一章　「軍記」概念の再検討　
　第二章　『平家物語』は「軍記」か　
　第三章　『義貞軍記』と武士の価値観　
　第四章　一五世紀の「軍記」――『倭国軍記』の紹介と翻刻――　

第二部　『平家物語』の合戦　
　第一章　異能の悪僧達――延慶本『平家物語』橋合戦の読み方――　
　第二章　屋島合戦と「八島語り」　
　第三章　小坪坂合戦と三浦一族　
　第四章　「馳組戦」をめぐって　
　第五章　「越中前司最期」と合戦の功名　

第三部　軍記物語と歴史叙述の諸相　
　第一章　『曽我物語』と敵討　
　第二章　『太平記』と「良将」の概念　
　第三章　『保暦間記』の歴史叙述　
　第四章　『予章記』の歴史叙述　

第四部　合戦と信仰　
　第一章　天狗・怨霊と合戦　
　第二章　後白河院と「日本第一大天狗」　
　第三章　『平家物語』と鎮魂　
　第四章　軍記物語と鎮魂　
　第五章　「軍神」（いくさがみ）考　

第五部　〈異国合戦〉と日本文学　
　第一章　〈異国合戦〉論の展望　
　第二章　〈異国襲来〉の原像
　第三章　神功皇后説話の屈折点　
　第四章　「耳塚」と「耳堂」の史実と伝承　

第六部　近代の武士観・「武士道」論と軍記物語　
　第一章　「兵の道」・「弓箭の道」考　
　第二章　「武士道」研究の現在――歴史的語彙と概念をめぐって――　
　第三章　近代「武士道」論と軍記物語の懸隔　
　第四章　近代の武士観と軍記物語研究　

付論　『滝口入道』の武士観