■内藤千珠子著『「アイドルの国」の性暴力』■
2021年8月12日 新曜社刊 282頁 2900円+税
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第一部 アイドルとナショナリズム
第一章 アイドルと戦争の風景
1 アイドル国家としての日本
2 地下アイドルと「ふつう」の女の子
3 公然の秘密としての「戦争」
4 代理される「僕たち」の物語
第二章 アイドルとJKの間
1 「娼婦」の身体とナショナリズム
2 「帝国的性暴力」の論理
3 JKビジネスと少女の身体――桐野夏生『路上のX』
4 奪いあう関係の先へ
5 伏字のアイドル――松田青子『持続可能な魂の利用』
6 「××」が遂行する革命
第三章 ポルノグラフィと傷
1 他者の傷への依存
2 「経済化」される身体とポルノグラフィ
3 視線が切り取る裸体――横田創『残念な乳首』
4 人魚の死体を悔いる、クィアな撮影法
5 「残念な写真」による沈黙への応答
第四章 革命とジェンダー
1 恋愛を疑う
2 金子文子と瀬戸内晴美――『余白の春』が描くヒロイン
3 脱恋愛化する「私」の言葉――獄中から語ること
4 物語の擬態がもつ罠
5 共鳴のフレーム /
第二部 「慰安婦」をめぐる想像力
第五章 「慰安婦」と情動
1 「アイドル」と「慰安婦」が象徴するもの
2 帝国的性暴力をめぐる学術的な論点
3 「証言の時代」の後で
4 「恥辱」の情動
5 文学的想像力と「娼婦」――徳田秋聲『縮図』
第六章 戦争と恋愛のトリック
1 敗戦小説としての林芙美子『浮雲』
2 戦場の女性作家
3 『浮雲』の両義性とヒロインの身体
4 恋愛の物語と傷の表象
5 「女の死」という結末
第七章 記憶のなかの戦時性暴力
1 対立する記憶と敵の言葉
2 「慰安婦」の物語化
3 夢のなかの戦争と女――中島京子『FUTON』
4 証言をめぐる否定の図式
5 物語の傷
6 未完成の絵
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