■井上隆史・久保田裕子・田尻芳樹・福田大輔・山中剛史編
『混沌と抗戦』■
2016年11月25日 水声社刊 462頁 5000円+税
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Ⅰ
1 没後四十五年 三島由紀夫の遺産と展望
序(井上隆史)
東西の古典を踏まえて(松本徹)
「世界文学」を視野にして
――三島由紀夫への二つのアプローチ(イルメラ・日地谷=キルシュネライト)
没後四十五年「悼友」対談(ドナルド・キーン×徳岡孝夫)
三島由紀夫の面影(ドナルド・キーン×宮本亜門)
変わり得ぬものの共同性――『金閣寺』、『仮面の告白』、天皇(平野啓一郎)
原爆/天皇 そして三島由紀夫と東大全共闘(芥正彦)
在りし、在らまほしかりし三島由紀夫(高橋睦郎)
2 二十一世紀文学としての『豊饒の海』
序(井上隆史)
モダニティーとの直面――「豊饒の海」が「腐海」と出会うとき(スーザン・J・ネイピア)
『天人五衰』、ふたたび(四方田犬彦)
最初のポストモダニスト? 三島由紀夫における崇高の美学(デニス・ウォシュバーン)
全体小説と世界文学(井上隆史)
Ⅱ
1 時空を超える三島論
序(井上隆史)
幻花の旅人たち――二人の「M」はどこで出遭ったか(竹本忠雄)
衝撃と新生――伝統からの福音(中村哲郎)
三島由紀夫とゴア・ヴィダル
――まったく同じ時代を生きた二人(J・キース・ヴィンセント(北丸雄二訳))
誰が三島由紀夫を殺したのか(ダミアン・フラナガン)
2 三島由紀夫と保守思想
序(浜崎洋介)
三島由紀夫の「宿命」――〈文学―天皇―自決〉の連関について(浜崎洋介)
三島由紀夫と金芝河における「生命」(南相旭)
三島由紀夫における天皇概念の革命性と外部性(梶尾文武)
三島由紀夫と保守思想――「文化防衛論」をめぐって(浜崎洋介×南相旭×梶尾文武)
3 二十一世紀に三島文学を読む
序(久保田裕子)
『豊饒の海』に描かれたアジアをめぐる表象
――世界文学として読み直すための覚書(久保田裕子)
三島由紀夫へ、三島由紀夫から――アダプテーション、ジェンダー、クィア(有元伸子)
三島由紀夫と女性誌――『三島由紀夫レター教室』と「女性自身」(武内佳代)
4 三島由紀夫と情動の問題
序(田尻芳樹)
三島由紀夫における現実描写――日常性、存在論、情動(田尻芳樹)
戦後保守主義へのアフェクション――三島由紀夫と吉田健一(田中裕介)
モダニズム的崇高と三島由紀夫――風景と情動をめぐって(遠藤不比人)
Ⅲ
1 ラカンvs.ミシマ
序(福田大輔)
三島とジョイス――語る身体と言葉の孔(エリック・ローラン(福田大輔訳))
文字と天皇――三島由紀夫における二つの貢物(佐々木孝次)
救済の二つの時間――三島を用いてラカンを(原和之)
もし、二人が出会っていたら……(井上隆史)
2 三島由紀夫に挑む
序(井上隆史)
池辺晋一郎 オペラ『鹿鳴館』に見る「言葉」と「音楽」(広瀬大介)
三島とジャン・ラシーヌ(ジェームズ・レイサイド)
三島由紀夫という演劇的人生――『金閣寺』『ライ王のテラス』から(宮本亜門)
「二十一世紀版『薔薇刑』」について(細江英公)
三島とカラジッチ、あるいは文学と政治の「間」(三輪太郎)
三人の写真家と三島由紀夫のフォト・パフォーマンス(山中剛史)
「芸術対人生」の行方(佐藤秀明)
国際三島由紀夫シンポジウム2015 プログラム
あとがき(井上隆史)
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