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竹内栄美子著『中野重治と戦後文化運動――デモクラシーのために』


2015年10月30日 論創社刊 386頁 3800円+税

    
第Ⅰ部 プロレタリア文学を再読する

 第一章 二律背反の構図――プロレタリア文学を再読するために
 「経済の侍女」の汚名を返上する 消費する欲望の時代、文章を売ること 覚醒、共感、内在的批判 人間性の恢復のために――社会構造分析を基礎として

 第二章 格差社会日本とプロレタリア文学の現在的意義
 現代に召還されるプロレタリア文学 見えなくされているものをあぶり出す――世界の読み解き方 ジェンダー・イシューの観点から 表象の問題として――誰が語りの主体なのか

 第三章 「プロレタリア文学史」を再編する―アナキズムとの接合から
 寺島珠雄、岡本潤、中野重治 中野重治『詩に関する断片』と岡本潤『唯物的詩論』
 秋山清の批判――「赤と黒」と「驢馬」 小野十三郎と中野重治
 おわりに――アナキズム思想を再考する / 


第Ⅱ部 ジェンダー・階級・民衆

 第四章 女性であることの桎桔――松田解子『女性苦』に見る
 階級闘争のなかの女性抑圧 ハルエの成長――内面化された「美徳」から脱皮する
 ハルエと友子――「最後の奴隷」を解放するために おわりに

 第五章 「監獄の窓から見る空は何故青いか」――小林多喜二の獄中書簡
 獄中書簡の位置 小樽時代からの友人・恋人――斎藤次郎と田口タキ
 板垣鷹穂への手紙 プロレタリア文学運動の仲間たち

 第六章 書くことを選ぶ娘たち――佐多稲子『機械のなかの青春』と一九五〇年代
 一九五〇年代――サークル運動と「母の歴史」
 『機械のなかの青春』――農村と母と工場の娘
 「母の歴史」――母と娘の葛藤 「共同制作」として『機械のなかの青春』

 第七章 山代巴の文学/運動 報告の趣旨
 時系列に従った七つの局面――三つのテーマ 『日本の女』について(一)
 『日本の女』について(二) 一九五〇年代女性運動への批判

 第八章 戦後文化運動への一視覚――山代巴・中井正一の実践と論理
 高揚する戦後文化運動――戦前からの連続性、サークルのことなど
 中井正一の組織論――「ミッテルMittelとしての媒介」と集団的主体
 山代巴の思想形成と実践―初出『蕗のとう』について
 「啓蒙」を超える地点――五〇年代文化運動の自主性 / 


第Ⅲ部 中野重治と戦後文化運動

 第九章 戦後文化運動における中野重治―日本民主主義文化連盟のなかで
 はじめに――反戦平和の戦後文化運動 日本民主主義文化連盟について
 中野重治の活動について 全集未収録資料

 第一〇章 戦後文化運動と文連地方協議会
 はじめに――中野重治の責任 文連地方協議会 文連大阪地方協議会 まとめとして

 第一一章 戦後文化運動と詩誌「列島」
 はじめに 戦後文化運動を推進した新日本文学会――戦前からの継続と戦後世代の認識
 「列島」の位置――サークル詩運動を理論化する 関根弘『狼がきた』――抵抗詩の克服のために 思想資源としての「列島」サークル詩

 第一二章 中野重治と『松川詩集』
 はじめに 『有罪か無罪か』について 松川事件について 『松川詩集』、サークル詩のこと

 第一三章 占領下の明暗――中野重治の戦後小説『おどる男』『軍楽』を中心に
 はじめに 占領下の中野重治 『おどる男』 『軍楽』 おわりに

 第一四章 『中野重治全集』未収録文章『ハイネの文章』について

 第一五章 森鷗外を救抜する――中野重治『鷗外その側面』
 はじめに 本書の構成 筆写資料『半日』の書き込み
 苦闘する鷗外――戦後の文章に触れて おわりに 


あとがき プロレタリア文学から戦後文化運動へ――人文学を学ぶことについて





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