ロゴ
Home | About Us | Contact Us | Site Policy | Access Map

牛山 恵著
『子ども読者とひらく 宮沢賢治 童話の世界』


2014年12月20日 冨山房インターナショナル刊 321頁 2500円+税


第一章 子どもと読む賢治童話の魅力 

一、異界との交歓―「雪渡り」
 はじめに――〈人と動物との交歓に感動する物語〉からのスタート
 1、〈雪渡りの日〉に何が起きたのか
 2、「狐社会」とは何か
 3、人間と狐の交歓とはどのようなものだったのか
 おわりに――学習のまとめとしての「交歓」の再考 

二、生命の連環―「やまなし」
 1、子どもたちはどう読んだか
 2、作品の何が問題なのか――読みはどう進められたのか
 3、何を読みの問題とするか――子どもの視点からの読み
 4、残された問題は何か――読みはどこに向かっていくのか 

三、擬制を撃つ―「よだかの星」
 1、作品が内包する教材としての問題
 2、子どもの読み
 3、読みを深める――三つの問いで読んでいく
 4、「擬制を撃つ」読み 

四、自己回復へのメッセージ―「注文の多い料理店」
 はじめに
 1、題名を読む
 2、「こわさ」を感じる
 3、「二人の若い紳士」に違和感をもたない
 4、「二人の若い紳士」への反発
 5、裁定者としての山猫
 6、子どもの読みが向かうところ
 7、世界を創出しているもの
 おわりに 

五、イーハトヴの世界に遊ぶ―「鹿踊りのはじまり」
 1、教材としての「鹿踊りのはじまり」
 2、実践をふまえて
 3、虚構体験の可能性を求めて 

六、現実と理想の相克―「オツベルと象」
 1、作品に対する生徒の問題意識
 2、現実と理想の相剋の物語
 3、中学生にとって「オツベルと象」とは何か 

第二章 掘り起こす賢治童話の世界 

一、異界からの手紙―「どんぐりと山猫」
 1、「どんぐりと山猫」研究の史的展開
 2、「どんぐりと山猫」試論 

二、領域侵犯者に与えられた罰としての刻印―「注文の多い料理店」
 1、語られているストーリー――死の饗宴への廊下と扉
 2、「注文の多い料理店」が創出する世界
 3、童話集『イーハトヴ童話 注文の多い料理店』――「イーハトヴ童話」の意味
 4、『イーハトヴ童話 注文の多い料理店』の「序」――媒介者としての語り手
 5、「注文の多い料理店」の広告ちらし――二項対立の読みか、新しい山猫像か 

三、狐殺しの修羅「土神ときつね」
 1、「土神ときつね」と秋田の昔話
 2、不均衡な人物設定
 3、「土神ときつね」をめぐる読み
 4、情報から遮断された生
 5、虚飾の批評
 6、狐殺し
 7、土神の涙 

四、社会悪への批評―「猫の事務所」
 はじめに
 1、「農民芸術概論綱要」に見る一九二六年の宮沢賢治
 2、「オツベルと象」に見る一九二六年の宮沢賢治
 3、「猫の事務所」で問われること 

五、賢治童話における悪の諸相
 はじめに
 1、「〈生命〉をもてあそぶ〈悪〉」
 2、「衝動的殺人の〈悪〉」――土神(「土神ときつね」)
 3、「秩序の破壊―異形の〈悪〉」――フクジロ(「〔ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記〕」)
 4、「強欲」の「悪」大三(「よく利く薬とえらい薬」)
 おわりに 

第三章 教材としての賢治童話 

一、宮沢賢治童話の教材史
 はじめに
 1、「国語」教科書における宮沢賢治童話の教材化の歴史
 2、教科書における伝記教材と組み合わせた単元設定の問題
 3、画一的な読解に導く学習課題の問題
 4、活動主義的、教養主義的な単元的学習指導の問題
 おわりに 

二、賢治童話の魅力と教材化の可能性
 はじめに
 1、賢治童話の概観
 2、賢治童話の魅力 

三、教材論・作品論のための覚え書き
 音読によってひらかれる恐怖の世界―「注文の多い料理店」
 因果を超えた共生の愛―「なめとこ山の熊」
 心象のドリームランドの秘密―「心象スケッチ」と比喩表現
 賢治童話における仮構された地名―場を作る地名のレトリック





ページトップへのボタン このページのトップへ


Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.