■楜沢 健著『川柳は乱調にあり――嗤う17音字』■
2014年6月25日 春陽堂書店刊 165頁 1400円+税
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はじめに 川柳は美辞麗句を嗤う
「うどん屋に日本終了ですの札」
「日本を、取り戻す」と「日本終了です」
「日本」とは何か
川柳は美辞麗句・巧言令色を許さない
嗤う一七音字
1 川柳は乱調にあり
「原発で手足ちぎられ酪農家」
「詠む」と「吐く」
隠語を堂々と言っちゃう、それが川柳
一九三八年、二つの「嘔吐」
短詩型文学の理不尽と怖さ
川柳にとって定型律とは何か
川柳は乱調にあり
短詩革命運動の時代
川柳の時代がやってきた
嗤う一七音字
2 川柳・原発・落書き
原発標語に覆い尽くされた街
原発は社会から異論や反対を駆逐する
教育が支える戦争と原発
国策標語と落書き
川柳は路上の落書き
鶴彬における川柳の手法
川柳は反標語、反広告、反宣伝、反コピー、反洗脳、反煽動の表現形式
石原青竜刀「落書きも支那は一首の詩をしるし」
原発は落書きを恐れ、監視し、許さない
広告を書き替え・乗っ取るカルチャー・ジャム
岡本太郎の壁画「明日の神話」乗っ取り事件
「原水爆」と「原発事故」を接続させる
岡本太郎と「原子力の平和利用」というスローガン
それは、われわれ通行人のものだ
嗤う一七音字
3 川柳は検定教育を嗤う
「勇の字をマ男と読む尋常科」
川柳は教室と教育の欺瞞をぶち壊す
間違いと誤読にこそ、真理が隠れている
川柳に息づく、パロディーの精神
川柳は検定教育と相容れない
鶴彬の川柳があぶり出した「教育」の嘘と詐欺とやらせ
鶴彬「2+2は5である事も有のです」
戦争に動員される韻文教育
「ムカツク」と「吐き気」
竹内敏晴の「ムカツク」解釈
鶴彬「燐寸の棒の燃焼にも似た生命」
嗤う一七音字
4 川柳はプレカリアートの詩
「蟹工船」ブームから六年
二〇〇八年、冬の路上から
文学ジャンルの序列と差別
「ワーキングプア川柳」の誕生
鶴彬から乱鬼龍へ
川柳はプレカリアートの詩
川柳と街頭パフォーマンス
「ワーキングプア川柳」から「原発川柳」へ
「サラリーマン川柳」から「女子会川柳」へ
日本は「まっくろけのけ」
宮内可静「老人は死んでください国のため」
鶴彬こそ「ブラック企業川柳」の元祖である
嗤う一七音字
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