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第66回日本文学協会国語教育部会
夏期研究集会のご案内

  テーマは「〈第三項〉と〈語り〉」です。日本文学協会国語教育部会は二年間このテーマを掘り下げてきました。そこでは「作品や教材はシンプルに読めばいい」という声もありました。しかし、読むことはそれほどシンプルなものとして共有されてはいません。これまで読むことは、主体と客体の二項で正しさ、普遍性を追求してきました。この「読み方」が否定されているのが今日の〈読み〉の現場です。「どう読んでも読み手の勝手なのだ」をどう克服し、作品(教材)価値を引き出すかが問われています。
 提案する読みの根拠である〈第三項〉論とは、主体と客体と客体そのものの三項で捉える世界観認識に立つ〈読み〉の原理です。主体と対象を実体とし、主体の想像で対象をとらえても、対象そのものをとらえることはできません。主体の思い込みからのがれられないからです。文学研究者の田中実氏は、主体と客体の外部に超越項(=了解不能の《他者》)である〈原文〉を仮に据えれば、読み手がとらえた〈本文〉は対象そのものではなく「〈原文〉の〈影〉」となる。その〈本文〉に内在する制度性(虚偽性・思い込み)を抉り出し倒壊させることで、己のことばの〈向こう〉の眼差しを獲得し、〈本文〉を照らし返すことができると述べています。読み手が価値を問うことは可能だということです。
 国語教育部会は、〈第三項〉論がポストモダンを超える「読むこと」の根拠となると考え検証してきました。ストーリーの〈語り〉をそのまま受け取るだけでは、深い〈読み〉は立ち上がってはこないでしょう。〈語り〉に秘められた声を聴き取る〈聴き手=読み手〉の新たな「〈主体〉の構築」の場が求められています。
 「〈第三項〉と〈語り〉」は、次代の「ポスト・ポストモダン」の読みの世界をひらく、画期的な〈読み〉の提案です。文学教育に関心のある多くの現場の先生や研究者の参加を願ってやみません。

ご案内と参加申込書へのリンク(PDF)
    
(プリントしてご使用ください。郵送、またはファックスにて下記日本文学協会宛お送りください)


テーマ 〈第三項〉と〈語り〉―ポスト・ポストモダンと文学教育の課題

日 時 8月9日(土)~8月10日(日)

会 場 法政大学第二中・高等学校
    〒211-0031 神奈川県川崎市中原区木月大町6-1
    JR・東急東横線 武蔵小杉駅下車徒歩15分
    地図URL http://www.hosei2.ed.jp/access.html

日 程
9日(土)
 12:00~ 受付開始
 13:00~ 開会挨拶 藤原和好(三重大学名誉教授)
 13:10~ 基調報告 大谷 哲(二松学舎大学非常勤他)

 14:00~ 講座(分科会)
  小学校分科会 「文学作品の教材価値」 司会 中村龍一(松蔭大学)
    藤原和好(三重大学名誉教授)「五感で読む」
    田中 実(都留文科大学名誉教授)「世界像の転換、〈小説童話〉を読むために
                            ――賢治の『雪渡り』と安房直子の『きつねの窓』を例に――」
  中学校分科会 司会 須貝千里(山梨大学)
    山中正樹(創価大学) 「三浦哲郎「盆土産」(『国語2』光村図書)を読む」
    佐野正俊(拓殖大学)「安東みきえ「星の花が降るころに」(光村「国語1」)の教材性について」
  高校分科会
    高野光男(都立産業技術高等専門学校)「教室で村上春樹を読む――「未刊のプロジェクト」としての                                                 〈主体〉の構築」
    斉藤昭子(桜美林大学他非常勤)「〈語り〉を考える古典の授業――源氏物語を例として」
 17:00 事務局連絡

10日(日)
 午前の部 9:00~12:00 実践報告(分科会)
  小学校分科会 司会 守田庸一(三重大学)
    佐藤久美子(江戸川区立小松川第二小学校)「おにたのぼうし~人間もいろいろいる」
    田木晃美(四日市市立下野小学校)「1年ハンス・ウイルヘルム『ずっとずっとだいすきだよ』」
  中学校分科会 司会 坂本まゆみ(北杜市立長坂中学校)
    望月理子(韮崎市立韮崎西中学校)『『高瀬舟』の授業――〈語り〉の構造に向かって――』
    篠原武志(洛星中学・高等学校)「『土神と狐』を中学生と読む」
  高校分科会
    酒井陽子(長野県松川高等学校)「『羅生門』授業報告」
    丸山義昭(新潟県立柏崎高校)「教室で読む村上春樹『鏡』の語り」

 午後の部 13:00~16:00
  シンポジウム 「教室における『〈第三項〉と〈語り〉』」
    司会 馬場重行(山形県立米沢女子短期大学)
    齋藤知也(自由の森学園中学校・高等学校)「文学と教育の背馳と一致をめぐって―読み手として
          の教師、聴き手としての教師、学び手としての教師―」
    山下航正(広島商船高等専門学校)「教室で文学を読むということ―〈他者〉、〈超越〉、
          そして「読むこと」―」
    難波博孝(広島大学大学院)「近代(文学)と近代(教育)との相克」
 16:00~ 講演 田近洵一(東京学芸大学名誉教授)
           「文学の〈読み〉の再生を求めて~授業実践をひらく~」(仮)
 17:20〜 閉会
      閉会挨拶 山田俊治(横浜市立大学)

参加費 全日参加 3000円(ただし、学生は2000円) 一日参加 1500円(学生は1000円)

注 意
 ・参加費は原則として前納でお願いします。
 ・下記の郵便口座にお振り込みの上、申込用紙を日本文学協会事務局宛にお送り下さい。
  口座番号 00160-7-23502 日本文学協会国語教育部会
 ・駐車場の用意はありません。お車での来場はご遠慮ください。
 ・宿泊は各自でお申し込みをお願いします。混み合うこともございますので、早めに申し込みください。
 ・一日目は終了後に懇親会を予定しております。

お問い合わせ 日本文学協会
       〒170-0005 豊島区南大塚2-17-10 TEL/FAX 03-3941-2740
       e-mail:bungaku1946@piano.ocn.ne.jp




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