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1月号特集  文学教育の挑戦

 
  日本文学協会では、これまで文学と教育に関するテーマを度々取り上げ、議論を交わしてきた。昨今の本誌「子午線」欄においても教育に関する提言を相次いで掲載しており、協会の内外において文学をめぐる教育への関心は、新学習指導要領の実施を迎えた現在、見過ごすことができないほどの高まりを見せている。二〇二一年には大学入試制度の改変が予定されている今日、教育実践を中心に、問題意識の共有化と新たな視座による文学教育構築に向けて議論を行うことが求められているとも言えよう。
 そもそも文学教育は、多様な場を持っている。学校教育の現場はむろんのこと、文学館や図書館の展示や公開講座において触発される文学的事象、旅先における文学との出会い、あるいは個々人の読書行為に至るまで、人びとはさまざまな場で文学に出会い、文学を通した学びを体験している。そこには、体験と想像の絶え間ない往還のなかで、言葉と出会い、言葉に導かれていく歓びや楽しみがあることだろう。その豊かで楽しい学びの一方で、作品が成立した時代特有の社会状況の把握は当然のことながら、解釈するためのコードを習得させ、言葉の規則たる文法を教授することが、学びを効率化・画一化してしまうこともあろう。過去を振り返り、現状を顧みた時、いかなる場であっても文学を読み、文学をもって人を育むことへの肯定に満ちた場であったと言えようか。文学研究・教育が形成してきたものへの自省を含めて、開かれた知とその豊かさを共有する方策を拓くことが、今、必要とされているように思われる。
 昨今の文学を取りまく目まぐるしい環境変化のなかで、これからの文学教育はどのようなスタンスを取り得るのか。改めて文学の存在意義を意識しつつ、教室内外を問わず多角的な見地から、文学をめぐるさまざまな教育のあり方についての議論を期待したい。
 
     
                記

 
  一、締切 2019年10月20日

  一、枚数 35枚(400字詰)以内

『日本文学』編集委員会


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