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7月号特集 中世における宗教と文学研究との架橋  

 

 中世文学特集号として、宗教と文学との架橋のあらたな方向性を探る企画を提案する。中世文学が宗教や信仰との不可分な関係性のもとに成ることは、領域を横断して見られる現象であり、『日本文学』の過去の特集号においても、それを意識した試みがある。「中世における聖なるもの」(一九九六年七月)を承けた、「宗教をめぐる中世の言説」(二〇〇八年七月)には、中世文学と宗教との横断的な研究の活性化と、分析対象となる資料の拡張や成果の深化を踏まえ、「宗教と文学との融合の中から生まれた言説の意味を問い、中世という時代とその中で生み出された文学の特質を掘り起こす」多様な成果報告が掲載されている。この特集号から一〇年を経た今、本特集号は、もはやさまざまな位相における密接なかかわりを前提として考究することが常識となった宗教と文学の言説を念頭に置きつつ、その両者を架橋していくあらたな方法論と実践を模索する。
 宗教と文学との融合的な研究は、中世文学研究をゆたかなものに変貌させてきたが、一方で資料研究の範囲のひろがりは、ともすれば研究の拡散的方向につながる危険性を自覚しなければならない。両者の架橋のありかたは常に模索され続ける必要があるのである。それは、寺院調査のさらなる進展に基づく資料と文学とのかけはしを精緻に説くことで体現されることもあろうし、宗教や文学をうみだす地域や場から更新していく方法もあり得るかもしれない。また、宗教を踏まえた和歌や散文の領域を超えた視点や読みに基づく文学研究の架橋についても、進展させるべき余地が少なからず残されていると言えよう。
 「架橋」のありかたを、斬新な方法から探求する意欲的な論考を期待する。各々の論が提示する、視点・読み・調査・資料等に基づく問題設定や方法論がひろく集まり交わるとき、そこには、宗教と文学はもとより、中世文学諸領域を横断する見取り図と展望が立ち現れることとなるであろう。


           記

  一、締切 二〇一九年四月二〇日
  一、枚数 三五枚(四〇〇字詰)程度

『日本文学』編集委員会


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