ロゴ
Home | About Us | Contact Us | Site Policy | Access Map

投稿のご案内


11月号特集 日本(語)文学の越境と翻訳 

 
 ジャック・デリダの『たった一つの、私のものではない言葉―他者の単一言語使用』は、ユダヤ人でありながらフランス植民地下のアルジェリアにおいてフランス語を唯一の言語として育ったデリダの言語的葛藤に基づく書物であるが、このような葛藤はデリダに固有の問題ではない。「母語」や言語の体系、また、翻訳とは何かといった問いは、日本語を用いる書き手のものでもある。
 ドイツ語と日本語で作品を書き続ける多和田葉子や、英語と日本語の間を往還して思考する水村美苗などは、日本(語)文学の境界線に揺さぶりをかける存在と言える。日本にルーツを持つ酒井直樹やカズオ・イシグロの著作のように、英語で執筆され日本語に「翻訳」される評論や文学の実践もある。金石範は自らのルーツである朝鮮語を奪われ日本語を強いられた経験を持ちながら、あえて日本語で書くことにこだわり続けているし、温又柔の「移民」という自己定位とそれに基づく創作や発言も想起されるところである。
 言うまでもなく、日本文学の発展には様々な言語によってなされた翻訳の実践が与してきた。しかし、強制的に与えられた日本語=国語を内破しようとする実践と、外部から別種の言語により相対化を企てようとする実践を架橋する議論は十分になされておらず、他言語に翻訳されて読まれる「世界文学」としての日本文学に関する議論も始まったばかりである。加速度的にグローバル化が進行する現代にあって、「日本文学」とは、どこで・誰によって・何語で・どのように書かれ、読まれるものなのか、ということが、いま改めて問われる必要があるだろう。
 本特集では、「日本(語)文学」として一括される諸々の実践を解きほぐし再考することによって、研究に新たな視角を切り開くことを目指すものである。
 

     記

 一、締切 2019年8月20日
 一、枚数 35枚(400字詰)以内

『日本文学』編集委員会


ページトップへのボタン このページのトップへ

Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.