ロゴ
Home | About Us | Contact Us | Site Policy | Access Map

投稿のご案内


8月号特集 第三項と〈世界像の転換〉――ポスト・ポストモダンの文学教育V

 
  このテーマは2015年8月号に掲げ、昨年度において続けたものであるが、今年度も継続している。
 一昨年度の8月号では、〈世界像の転換〉と第三項理論が結びつけられる必然性が明らかにされた。また、昨年度ではそれに基づいた個別具体的な作品の〈価値〉を拓く〈読み〉の問題が焦点化された。到達点としては、「主体」と「主体が捉えた客体」という二項による世界像ではなく、その向こうに客体そのものである第三項を必須とする〈世界像の転換〉が求められ、また近代小説の〈語り〉は〈語ることの背理・虚偽〉の問題を抱え込みそれを超えていこうとするものであることが、具体的な〈読み〉の実践というかたちで示されたことがあげられる。しかし、一方で〈世界像の転換〉を、一回性の現象としての「還元不可能な複数性」と対峙しないまま、旧来の了解可能な枠組み、実体論的な意味合いで捉える傾向も混在しており、その克服が求められる。
 「教育改革」の動向としては、昨年末に出された中央教育審議会答申が、「予測困難な時代」という問題を取り上げている。だが、その対応は、教材価値論を問わないままで、「アクティブ・ラーニング」に代表されるような方法論に傾斜してしまっている。「国語科」では「言葉による見方・考え方」の重要性が指摘され、「対象と言葉、言葉と言葉の関係」の問題が例示されているが、そこには肝心の「対象を捉えるとはどういうことか」という〈世界像〉に関する本質的な問いが欠落したまま、高校では科目の再編が進められようとしている。このような状況のなかで、「第三項と〈世界像の転換〉」を正面から掲げ、〈価値〉を問う「ポスト・ポストモダンの文学教育」を実践していくことこそが求められていると考える。
 意欲的な論文の投稿を期待している。
     記


 一、締切 2017年5月20日
 一、枚数 35枚(400字詰)程度

『日本文学』編集委員会


ページトップへのボタン このページのトップへ

Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.