ロゴ
Home | About Us | Contact Us | Site Policy | Access Map

投稿のご案内


7月号特集 中世文学における言葉とイメージの連環

 
  文学で表されようとするイメージは、まず外部に対して言葉を通じ、享受者の前に示される。
 中世では、それを鮮明にするため、視覚的・聴覚的な手段である絵画や音楽が盛んに用いられる。そのようなことを探る対象として、例えば、縁起絵巻、物語絵巻、御伽草子、参詣曼荼羅、祭礼図等が挙げられる。これらの絵画によるイメージと、詞書との関わりの探求が考えられよう。神仏との交流を可能とする夢想、
託宣、限られた流派間の秘説等も中世的世界のビジョン、イメージを伴い作り出されるものであろう。儀礼や行事の祭文や儀軌等を通じ、立ち表される心像、 偶像も取り上げることができる。イメージと言葉をつなぐものとして、絵解き、唱導、勧進活動等の芸能も挙げられる。人々を引きつける表現と現世利益、鎮魂、
救済等の思想面との関わりも興味深い。
 言葉とイメージの連環は書き言葉だけではない。平曲、歌謡等の聴覚表現が聞き手にもたらすイメージも考察の対象になり得る。様々な作品に見える視覚、聴覚等の多様な感覚に訴えるイメージと言葉による表現との関わりを探ることも考えられよう。叙景のあり方についての考察はその一例である。
 中世文学においては型・様式の模倣、注釈行為によって言説の再生、逸脱を繰り返すなかで、新たな言葉によるイメージが生成されることもある。本歌取による新たな作品世界の創造はその一例である。創作にとどまらず、享受の過程で新たなイメージが浮かび上がる事例も指摘が可能である。
 中世文学に言葉とイメージの連環を介在させることで、作品の内部と外部を結ぶ新たな切り口を示して頂ければと考える。幅広い分野からの論考をお寄せ頂きたい。
     

     記

 一、締切 2017年4月20日
 一、枚数 35枚(400字詰)程度

『日本文学』編集委員会


ページトップへのボタン このページのトップへ

Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.