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1月号特集 教材としての文学の
     歴史性と可能性

 
  
 本号の特集テーマは、二〇一四年の「教科書と文学」、二〇一五年の「教科書と文学U」を引き継ぐものです。
 「教科書」と「文学」の関係を問い直すことで、「現在における双方の置かれた状況と課題を可視化」した二〇一四年。それを受けた二〇一五年は、「「文学」を教えることの根拠、「読むこと」の根拠を探るという問題の掘り下げを意図して企画」されました。両特集とも本誌に相応しい大きな成果を上げたと自負しています。本号は、これまで達成された地平に視座を据え、より具体的な議論を呼び込むことを意図した企画です。
 生活言語の修得に重点を置く現行学習指導要領に則って国語科教科書が編集されることで、教材としての「文学」の扱い方に変化が生じてきています。言うまでもなく生活言語の習得・活用は大切にされるべきです。ただし、生活言語を実体化し制度化する国語科教育が、伝統的言語文化と日本語の特質を並記する思想の上に成り立っていることは問題です。伝統的言語文化とそれを読むことは、生活言語習得のための素材として扱われるようになり、「文学」を「読む」ことの意義が軽視される状況が出現しています。しかし、「文学」を切り捨てる(あきらめる)のではなく、生活言語教育と文学教育の相関がよく機能していることが国語科の健全な在り方ではないでしょうか。
 「文学」を「教材」として教えることの歴史性と可能性を、本号ではいわゆる「定番教材」と呼ばれる「文学」の考察、そして「定番教材」を扱った実践の考察から探ってみたいと思います。その双方の研究成果を積極的に打ち出してゆくことが本学会の責務であると考えます。
 戦後七〇年が過ぎました。「教科書」という、権力ともなり得る装置において、「教材」と「文学」がどのような姿を呈してきたのか、或いはどのような影響を「教育」の現場にもたらし今日に至ったのか。その「歴史性」と「可能性」を問い直す意欲的な論考が投稿され、さらなる議論が展開されることを期待します。
 
       記


  一、締切 2015年10月20日
  一、枚数 35枚(400字詰)程度

『日本文学』編集委員会


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