ロゴ
Home | About Us | Contact Us | Site Policy | Access Map

投稿のご案内

1月号特集 教科書と文学

   
 本特集号のテーマは「教科書と文学」である。
 ここで言うところの「教科書」は所謂文科省検定済の教材用の「教科書」のことだけではなく、大学の講義で扱われることによってしか読み手を持たない作品についても包含する概念である。「教科書」と「文学」、この両者の関係を問い直すことで、現在における双方の置かれた状況と課題を可視化したい。
 現代社会、特に人文知を再構築するためのキーワードとして〈脆弱性〉と〈冗長性〉が有効である。それは、文学に何ができるか/できないかの謂いであり、文学は何をしてきたか/してこなかったかの宿題でもある。その状況に於いて「文学」を教えることの根拠、「読むこと」の根拠を本特集で探りたいと思う。
 小・中・高で新学習指導要領に基づく国語教科書が使用され始めた今日では、言語技術的学習に重点が置かれ、文学作品は単なる素材として扱われ、活動主義的授業へと収斂していく傾向のあることは事実である。大学でも、教員がほとんど自分の嗜好のままに「人格涵養」などの誰も(講義する本人も)信じていない理由で選んだ文学作品が講義の「教科書」となることで、ある価値が付与され、受講者に印象づけられるという状況がある。「教科書」に採択された、もしくは選択されたがゆえをもって「名作」や「代表作」という称号を冠されることは文学作品や作家にとっても不本意であろう。さらには研究・教育領域にとどまらず、あらゆる人文知における批評行為を含み込んだなかでの、〈読み〉の制度の解体と、その再編成に向けての実践を射刺したい。
 日本文学協会は、幸いにして、このテーマを論じる布陣を揃えすぎるほど揃えている。そして、時は今このテーマを欲している。古典・近現代文学・国語教育からのそれぞれの事態に対峙した意欲的かつ刺激的な投稿を期待する。
 

      記


  一、締切 2013年10月20日
  一、枚数 35枚(400字詰)程度

『日本文学』編集委員会


ページトップへのボタン このページのトップへ

Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.