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○10月号特集 近世韻文の力○

 
 近世は韻文が多様なひろがりを見せた時代である。
 ひとつはジャンル的な多様性である。和歌、漢詩に加え俳諧、狂歌、川柳などが生まれた。雅文芸のみならず、俗文芸においても韻文がジャンルとして確立した。
 もうひとつは作者・享受者の多様性である。貴族や上級武士のみならず、ひろく庶民にも韻文にたずさわる人々があらわれた。こうした面においても、近世は韻文が雅俗にわたって栄えた時代と言ってよい。
 だが、そうした近世韻文の豊饒について、いま文学にたずさわるわれわれは、何をどれくらい知っているだろうか。
 研究はジャンルごとに細密化し、そのジャンルの専門家にとっては自明の研究史や見解であっても、門外の人間にはほとんど知られていないということが往々にしてある。そして個人の努力ではカバーしきれないほど研究の地平が広がってしまったのも、また事実であろう。
 本特集ではこうした現状にかんがみて、「近世韻文の力」をテーマに、各ジャンルからの発言を求めたい。研究の最前線における問題意識に立脚しつつ論じていただくとともに、その問題にかかわる現在までの研究動向についても簡潔に説いていただけるとありがたい。それぞれのジャンルから最新の成果が提示されることで、近世韻文の全体像が俯瞰できるようになればと考える。
 近世韻文はさまざまな力を持っている。作品それ自体の力(読み手に働きかける力、ことば自体のイメージ喚起力など)はもちろんのこと、人が韻文を作ること自体に楽しみを見いだしたり、韻文を介して人間関係を構築したりする場合も、広い意味で近世韻文の力がはたらいていると言ってよい。現在でも近世韻文に惹かれ、それを研究する人々があまた存在するということも、その力のひとつのあらわれであろう。
 「力」の指し示す範囲は広くお考えいただき、積極的な投稿をお願いしたい。

 記
一、締切  2011年7月20日
一、枚数  35枚(400字詰)程度

                    

『日本文学』編集委員会


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