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11月号特集  近現代文学における〈交通〉

  近代文学はつねに様々な〈交通〉のなかで生成されてきた。明治期のヨーロッパ文学の摂取が、前時代の文学からの離脱を成就させる装置として機能したことはいうまでもないが、反面前近代との意識的な連携という〈交通〉によって作品をもたらす試みも少なくなかった。また山や海を素材として幻想化された異界との〈交通〉を主題とする作品も、現代に至るまで連綿と生み出されている。
 現代文学においては、文化・文学の〈交通〉がさらに多岐にわたって進行しつつある。外国語としての日本語で表現するリービ英雄や、日本語とドイツ語の両方を表現の媒体とする多和田葉子のような作家が旺盛に活動をつづけている。また村上春樹の作品が諸外国語に翻訳され、広範囲に読まれるだけでなく、その研究・批評も各国でおこなわれ、それを行き交わせるシンポジウムもしばしば開かれるといった状況も存在する。加えてメディア・ミックス的な横断や、メインカルチャーとサブカルチャーの〈交通〉といった問題も、文化研究の一部門をなすだけでなく、現代文学全体を展望するために不可欠の視点を提供しているだろう。
 こうした時間・空間の両面における他世界との接触がもたらす〈交通〉の問題を、明治期から現代に至る近現代文学を対象として捉え直すことによって、日本文化の特質を再認識するとともに、それを活性化する可能性を探っていくというのが、本特集のねらいである。領域にこだわらない斬新な論考をお寄せいただきたい。
     記
 一、締切 2008年8月20日
 一、枚数 30枚(400字詰)程度

        『日本文学』編集委員会


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