ロゴ
Home | About Us | Contact Us | Site Policy | Access Map

投稿のご案内

10月号近世特集「近世文学 出版と流通」

  17世紀初頭、徳川幕府の治世のもと三都を中心とした商業が発達するに伴い、学問の普及も民間レベルまで浸透し、それまでごく限られた階級のものであった書物は、筆写本や古活字版から整版という様式に変わることによって広く普及するようになった。教訓書、実用書、娯楽の書、文芸書といったあらゆる分野の書物が出版というシステムによって流通し、商品化されていく。さる2008年1月号に「文学としての情報/情報としての文学」というテーマで特集号が組まれたが、本特集号ではそれをふまえつつ、近世文学における出版と流通という問題に焦点を当ててみようとするものである。
 
 出版と書物の流通については、先学によりすでに様々な論が尽くされてきた。まず出版についていえば、本屋仲間、重版類版、版株、貸本屋、印刷技術、地方版、書物の価格、作者と書肆との関わりについて等々、統制のもとで培われた当代の出版文化の状況が明らかにされ、作品の商業化と情報化についての意味づけがなされてきた。また書物の流通という視点で捉えると、藩主や文人の間でおこなわれた書物収集や、書物のジャンルと読者層との関わりについての研究もある。さらに、既存文化を再創造する機能としての出版・流通の問題も論議されている。例えば『源氏物語』は、近世初期より『絵入源氏物語』『十帖源氏』をはじめとする様々な本文テキストや注釈書が出版されており、それらの書物間の影響関係が論点となっている。また、中国小説の書き換えとしての読本や、古典の大衆化を担うものとしての草双紙についても論じられてきた。
 
 今回のテーマは、出版と流通という視点をとおして文学的営為の新たな位置づけと作品の読みを求めるとともに、近世文学の時代性と史的意味を改めて考えてみようとするものである。多くの意欲的な投稿を期待している。

     記
  一、締切 2008年7月20日
  一、枚数 30枚(400字詰)程度

『日本文学』編集委員会


ページトップへのボタン このページのトップへ

Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.