■高木信著『亡霊たちの中世』■
2020年3月30日 水声社刊 380頁 3800円+税
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序章 《亡霊》に取り憑かれるエクリチュール、あるいは死者との親密圏を生成する
――『曾我物語』、宮部みゆき『孤宿の人』、井上ひさし『父と暮せば』
第Ⅰ部 ナラティヴの亡霊
第一章 亡霊の時間/未来からの記憶、あるいは〈今・ここ〉が散種される
――『義経記』、謡曲《二人静》、『伊勢物語』
第二章 語る亡霊のスキャンダル、あるいは〈亡霊機械〉が〈語り〉を流動化する
――謡曲《鵺》、『平家物語』「鵼」、和泉式部
第三章 〈不在の原因〉としての平家一門、あるいは現実界に〈亡霊〉を登録する
――謡曲《八島》、那須与一、『平家物語』成立伝承
第四章 〈死者/動物〉への生成変化、あるいは〈狩猟機械〉が起動する
――謡曲《善知鳥》、カムイ・ユカラ、和歌のレトリック
第五章 〈カタリ〉の亡霊論(hantologie)的転回、あるいは「話法」による〈亡霊〉への生成変化
――語り物文藝、『平家物語』「小教訓」、自由間接話法
第Ⅱ部 インターテクスチュアリティの亡霊
第六章 見えない〈桜〉への生成変化、あるいはテクストが〈亡霊化〉する
――『平家物語』「忠度都落」「忠度最期」、謡曲《忠度》
第七章 能を観る〈紫式部〉、あるいは「海人の塩焼く」言説が混線する
――『平家物語』「福原落」、『源氏物語』『太平記』、謡曲《須磨源氏》《敦盛》
第八章 『平家物語』を読む〈紫式部〉、あるいは〈不在の原因〉としての平将門
――「福原」、「須磨・明石」、「都」
第九章 混線する〈重衡物語〉のことば、あるいはインターテクスチュアリティが〈亡霊〉を産出する
――謡曲《重衡》《千手重衡》、『和漢朗詠集』古注釈、『伊勢物語』
第十章 小宰相と小野小町との絆、あるいは男たちの〈欲望〉を逆なでする
――『平家物語』「小宰相身投」、室町時代物語、謡曲《卒塔婆小町》
第十一章 〈貴種流離譚〉に潜むディアスポラ性、あるいは女性たちの彷徨が可能性を拓く
――謡曲《隅田川》、御伽草子、『伊勢物語』
第十二章 『源氏物語』を引用する『平家物語』/『平家物語』を引用する『源氏物語』、
あるいは新しい〈読み〉の可能性が拓かれる
――「維盛と光源氏」、「高倉帝と桐壺帝」
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