■池田節子著『源氏物語の表現と儀礼』■
2020年4月22日 翰林書房刊 311頁 7400円+税
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Ⅰ 『源氏物語』の表現
第一章 『源氏物語』の心中表現――「御心の中」「心の中」表現を中心に――
一 心中表現と語り手
二 心中表現の傾向
三 「心の中」によって示される心中表現
四 表向きの発言と内心が食い違う場合
第二章 『源氏物語』の会話文(一)――会話文の文末表現を中心に――
一 会話文の文末をめぐって――「など」で受けられる場合、「と」で受けられる場合――
二 文末の活用形
三 会話文の内容が正しくない場合
四 発話があることによる表現
第三章 『源氏物語』の会話文(二)――敬意の高い敬語の使用から――
一 敬意の高い敬語は誰から誰に用いられているのか
二 夕霧の会話文の特徴
三 大君は薫を敬意の高い敬語で待遇しない
四 薫と匂宮では受ける待遇が違う
第四章 男性たちの歌に含まれる男性語――頭中将と紅梅親子の歌を中心に――
一 検討する歌
二 紅梅の歌
三 頭中将の歌
四 左大臣と右大臣の歌
五 男性出家者の歌
第五章 葵の上の出産場面と出産描写史
一 葵の上の出産場面に対するいくつかの疑問
二 葵の上の妊娠と出産
三 物の怪の出現
四 出産描写の変遷
五 生霊出現の合理性
第六章 『源氏物語』における母の存在感――「母」呼称を中心に――
一 子に対する母の思い、父の思い
二 母としての存在感
三 「母方」の位置付け
四 「母」という呼称
第七章 『源氏物語』第二部の服飾――衣装の色および「あざやか」の意味するもの――
一 女楽以外の服飾描写
二 女楽の色彩
三 『枕草子』と『紫式部日記』における高貴な女君の衣装
四 あざやかなる御直衣
第八章 平安文学における食表現――『源氏物語』と『宇津保物語』を中心に――
一 食物一覧
二 『宇津保物語』において食品名が登場する場面
三 どこで、誰が調達したものを、誰と食べるか
四 食に執着することは下品という言説
五 「さかな」と「くだもの」
Ⅱ 『源氏物語』の人生儀礼
第一章 『源氏物語』の生誕儀礼――産養を中心に――
一 生誕儀礼について
二 『栄花物語』における産養
三 『源氏物語』における産養――描かれない場合――
四 『源氏物語』と『紫式部日記』に詳しく描かれた産養
第二章 物語史における元服と裳着――『源氏物語』と『狭衣物語』を中心に――
一 『源氏物語』以前の物語における元服と裳着
二 『源氏物語』の元服と裳着
三 『源氏物語』以後の物語の元服と裳着
四 『栄花物語』『枕草子』『蜻蛉日記』『更級日記』における元服と裳着
五 史実における低年齢化する元服と『源氏物語』
六 元服の消失による物語の変化
七 『狭衣物語』の特徴
第三章 『源氏物語』の算賀――光源氏四十賀と朱雀院五十賀の相違を中心に――
一 紅葉賀
二 式部卿宮五十賀
三 光源氏四十賀
四 朱雀院五十賀
五 朱雀院五十賀の度重なる延期をめぐって
Ⅲ 『源氏物語』を読み解く
第一章 「よしや。命だに」の解釈――光源氏と葵の上、そして紫の上との関係――
一 古注釈から現在に至る解釈
二 「よしや」と「命だに」の、平安和歌および『源氏物語』における用例
三 光源氏の葵の上観
四 葵の上と紫の上の関係
第二章 光源氏と花散里の対面場面
第三章 息子の死を悲しむ父――柏木と致仕の大臣――
一 夕霧による致仕の大臣弔問場面
二 かすみの衣
第四章 紫の上の臨終場面
第五章 花心におはする宮
第六章『蜻蛉日記』の夢
一 性的な願望の表れとされる夢
二 夢の種類
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