■一柳廣孝著『怪異の表象空間 メディア・オカルト・サブカルチャー』■
2020年31月23日 国書刊行会刊 360頁 3600円+税
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第1部 怪異の近代
第1章 怪談の近代
1 明治の怪談
2 揺らぐ「円了」
3 新たなリアリティとしての「幽霊」
4 文学場のなかの「怪談」
コラム 明治の怪談会と百物語本『百物語』の周辺
第2章 心霊としての「幽霊」近代日本における「霊」言説の変容をめぐって
1 「幽霊」と「心霊」のあいだ
2 「霊」を科学する――催眠術から心霊学へ
3 「心霊」としての幽霊
4 二つの幽霊論
第3章 怪談を束ねる 明治後期の新聞連載記事を中心に
1 闘争の場としての「怪異」
2 明治の新聞メディアにおける怪異の位置
3 物語としての怪談
4 事実としての怪談
5 怪談を構成する
第4章 心霊データベースとしての『遠野物語』
1 同時代のなかの『遠野物語』
2 水野葉舟と心霊学
3 心霊データベースとしての『遠野物語』
コラム「天命学院講習録」最後の気合術師・濱口熊嶽の教え
コラム 明治の熊本と催眠術
コラム 新聞記者が見た「千里眼事件」薄井秀一『神通力の研究』
第5章 田中守平と渡辺藤交 大正期の霊術運動と「変態」
1 霊術家と「変態」
2 田中守平――霊術から宗教へ
3 渡辺藤交――霊術団体から出版社へ
コラム その後の太霊道 日本霊道会と機関誌「霊界」をめぐって
コラム「全国精神療法家大番附」霊術家たちの最後の輝き
第6章 霊界からの声 音声メディアと怪異
1 放送局と怪談
2 象徴としての長田幹彦
3 オリヴァー・ロッジの影
4 エーテルと近代日本の心霊シーン
5 ラジオ・テレパシー・心霊
6 声と幻想
コラム 夏は怪談「週刊朝日夏季特別号 涼味と怪談 コドモのページ」
第2部 オカルトの時代と怪異
第7章 心霊を教育する つのだじろう「うしろの百太郎」の闘争
1 一九七三年、オカルトブームの発生
2 読者生成体としての「百太郎」
3 「コックリさん」からの撤退戦
4 「超能力」をめぐる闘争
第8章 オカルト・エンターテインメントの登場 つのだじろう「恐怖新聞」
1 ウィングを広げる――心霊からオカルトへ
2 「新聞」というフレーム
3 躍動するオカルト
第9章 オカルトの時代と『ゴーストハント』シリーズ
1 物語のリアル
2 ふたつの「オカルトの時代」――超能力とこっくりさんから
3 変容する「学校の怪談」
4 超常現象の解釈枠
第10章 カリフォルニアから吹く風 オカルトから「精神世界」へ
1 オカルトから「精神世界」へ
2 オカルトブームと「科学」の揺らぎ
3 ニューサイエンスという「思想」
4 八〇年代の新宗教と日本の雑誌メディア
5 カリフォルニアから風が吹く
第11章 「学校の怪談」の近代と現代
1 近代の「学校の怪談」
2 学校と怪談の親和性
3 「学校の怪談」の成立
4 変容する「学校の怪談」
第12章 幽霊はタクシーに乗る 青山墓地の怪談を中心に
1 幽霊がタクシーに乗る不思議
2 幽霊が乗るもの――馬から自動車へ
3 青山墓地という場所
4 幽霊はタクシーに乗る
第3部 ポップカルチャーのなかの怪異
第13章 薄明を歩む 熊倉隆敏『もっけ』
1 妖怪マンガというジャンル
2 コミックスカバーの記号学
3 ヒトと物怪のあいだ
4 境界に佇むこと
5 モノノケと語ろう
6 「あちら」から「こちら」へ
第14章 ご近所の異界 柴村仁『我が家のお稲荷さま。』
1 ライトノベルと異界
2 境界と越境の物語
3 天狐空幻と三槌(高上)美夜子の物語
4 ご近所の異界
第15章 学校の異界/妖怪の学校 峰守ひろかず『ほうかご百物語』
1 異界を取り込む
2 学校と妖怪
3 『ほうかご百物語』における妖怪の顕現
4 ライトノベルの妖怪
第16章 キャラクターとしての都市伝説 聴猫芝居『あなたの街の都市伝鬼!』
1 都市伝説とライトノベル
2 民俗学というパラダイム
3 書物を編纂する
4 そして『101番目の百物語』へ
第17章 境界者たちの行方 「もののけ姫」を読む
1 テクストとしての「もののけ姫」
2 物語世界の前提をめぐって
3 物語空間の多層性
4 境界者たちの行方
5 物語は、つづく
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