ロゴ
Home | About Us | Contact Us | Site Policy | Access Map

日比嘉高著『プライヴァシーの誕生 モデル小説のトラブル史』


2020年8月12日 新曜社刊 306頁 2900円+税


序章 モデル小説とプライヴァシー 
1 モデル小説は何を引き起こすか 
2 プライヴァシーは変化してきた 
3 文学からプライヴァシーを考える 
4 小説の言葉が行なうこと――転形、媒介、侵犯 
5 本書の概要

第1章 モデル問題の登場――内田魯庵「破垣」の発禁と明治の社会小説 
1 「破垣」の発禁と内務大臣末松謙澄 
2 社会小説と諷刺――内田魯庵の文学 
3 筆誅の時代とスキャンダルの公共圏 
4 登場人物の類型的表現のもつ力 
5 境界の構築と小説 
6 発禁余波――内田魯庵の表現および文学者の感覚の変化 

第2章 写実小説のジレンマ――トラブルメーカー島崎藤村と自然主義描写 
1 藤村伝説 
2 「はじめて産れたる双児の一」の発禁――「旧主人」 
3 一九〇七年のモデル論議 
4 モデル論議からみえる明治末の〈私的領域〉 
5 文学空間の変化――情報編成、読書習慣、窃視の好奇心 
6 〈藤村伝説〉の亀裂――「突貫」 
7 小説の暴力、好奇心の暴力――「新生」 

第3章 大正、文壇交友録の季節――漱石山脈の争乱Ⅰ 
1 大正期の文壇交友録小説と芥川龍之介「あの頃の自分の事」 
2 第四次『新思潮』派の紛擾と菊池寛「無名作家の日記」 
3 芥川の仕掛けたもの――交友録小説と文壇の鳥瞰図 
4 〈閉じた文壇〉論と私小説論 
5 〈通俗〉への通路をさぐる 

第4章 破船事件と実話・ゴシップの時代――漱石山脈の争乱Ⅱ 
1 〈芸術〉か〈通俗〉か 
2 久米正雄「破船」の戦略 
3 告白・実話・ゴシップ 
4 松岡譲「憂鬱な愛人」の受難 
5 加速する大衆文化時代 

第5章 のぞき見する大衆――『講談倶楽部』の昭和戦前期スポーツ選手モデル小説 
1 問題のモデル小説 
2 水泳選手の受難――近藤経一の「傷ける人魚」 
3 『講談倶楽部』の「実話」路線とスターの登用 
4 大衆文化へと浸透するモデル小説 
5 野球狂時代 
6 三原脩と小説「青春涙多し」 
7 ヒーローは墜落する 

第6章 〈プライヴァシー〉の誕生――三島由紀夫「宴のあと」と戦後ゴシップ週刊誌 
1 「宴のあと」、訴えられる 
2 なぜプライヴァシー権は要請されたのか 
3 プライヴァシーの誕生と拡散 
4 プライヴァシー論議と文学の自画像 
5 作品と読者 
6 テクストは知っていた? 
7 公の裸体 

第7章 〈芸術性〉をいかに裁くか――昭和末、高橋浩「名もなき道を」の勝訴 
1 唯一の小説家側勝訴例 
2 高橋治「名もなき道を」とその訴訟 
3 モデル小説の〈芸術性〉をどう評価するか 
4 〈芸術性〉をめぐる法学者たちの見解 
5 二つの〈芸術性〉1――〈虚構化〉 
6 〈虚構化〉と読者 
7 二つの〈芸術性〉2――〈芸術的価値の高さ〉 
8 法の場における〈芸術性〉の再規定のために 

第8章 モデル小説の黄昏――平成、柳美里「石に泳ぐ魚」のデッドエンド 
1 「石に泳ぐ魚」裁判の経緯 
2 「時代の流れ」――法律家、文学者の分裂 
3 報道被害と個人情報の登場
4 「宴のあと」のあと 
5 読むことの倫理、そして図書館の自由 

終章 ネット社会のプライヴァシーと表現 
1 プライヴァシーの変容 
2 創発する監視網 
3 自己情報のコントロールは可能か 
4 ネット時代の表現とプライヴァシー



ページトップへのボタン このページのトップへ


Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.