■葛綿正一著『平安期文学論 表象と強度』■
2019年1月25日 翰林書房刊 605頁 15000円+税
|
第一部 文学史論:風景・内面・音声
平安朝文学史の諸問題――和文の創出と文学の成立
一 「風景」の発見
二 「内面」の発見
三 「日記」という制度
四 「もののけ」という意味
五 「大和魂」の発見
六 「物語」の構成
おわりに
第二部 平安朝文学論のために:反復・ノイズ・鬱屈
Ⅰ 大津皇子と在原業平――反復の問題
一 大津皇子と在原業平
二 伊勢物語論
Ⅱ 蜻蛉日記と音声的世界の発見――ノイズへの感性
一 「声」の現象
二 「たたく」音またはノイズ
おわりに――ノイズとしての引歌
Ⅲ 枕草子と差別化の戦略――文芸の社会学
一 清少納言の戦略
二 人間関係と戦略
三 跋文の戦略
四 サロンの競合
五 戦略の破綻
Ⅳ 来るべき枕草子研究のために――機械の詩学
一 似すぎたもの
二 弾けるもの
Ⅴ うつほ物語と三宝絵――知の基盤
一 捨身と救済
二 結婚・出産・養育
三 寺社と年中行事
四 「才」の問題
おわりに
Ⅵ うつほ物語と栄花物語――情の様相
一 基調とリズム
二 音楽と建築の交差
三 情動の次元
おわりに――大鏡を媒介として
Ⅶ うつほ物語と今昔物語集――建築への意志
一 建築への意志
二 「うつほ」から「楼の上」へ
三 今昔物語集の「高楼」
四 仏教・音楽・建築
おわりに
Ⅷ 平安後期物語論――熱狂と鬱屈
一 菅原孝標女と六条斎院宣旨
二 平安後期物語の世界
三 更級日記と物語の精神
Ⅸ 栄花物語の方法、大鏡の方法――時間と空間
一 冒頭部をめぐって
二 花山院をめぐって
三 道長をめぐって
四 中関白家をめぐって
おわりに
第三部 中世文学論のために:享楽と不気味なもの
Ⅰ 将門記のメタファー――雷の文学誌
一 将門記のメタファー
二 雷の文学誌
おわりに
Ⅱ 平家物語と日付の問題――叙事詩論
一 日本書記と日付
二 源氏物語と日付
三 平家物語と日付
おわりに――叙事詩とは何か
補論 シニフィアンとしての馬
Ⅲ とはずがたり論――みどり子と言葉
一 「みどり子」の存在感覚
二 日記と出産
三 日記と遊女
四 僧侶・上皇・将軍
五 「みどり子」と形見
六 「みどり子」と言葉
七 「みどり子」と名前
八 日記と夢
おわりに――着物と神仏
Ⅳ 太平記と知の形態――享楽・座談・解釈
一 冒頭部の比較
二 無礼講と談義
三 田楽と闘犬
四 後醍醐天皇と大塔宮
五 藤房と正成
六 カラカラ笑い
七 道誉と師直
八 結句の連なり
九 夢窓疎石と妙吉
一〇 未来記と座談
おわりに――平家物語と太平記
Ⅴ 太平記と知の形態・続――解釈・問答・享楽
一 愚管抄と太平記
二 世阿弥と太平記
おわりに――徒然草と太平記
Ⅵ 反=鎮魂論――能の原理に関する試論
一 修羅場について
二 反=鎮魂論
おわりに
Ⅶ 説経節の構造――不気味なものをめぐって
一 しんとく丸と不気味なもの
二 をぐりと不気味なもの
三 さんせう太夫と表層の変容
四 説教節と女人禁制
おわりに
結語 思考・テクスト・歴史――古典研究の可能性
|
Copyright (C)2006 日本文学協会, All Rights Reserved.
|