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金ヨンロン著
『小説と〈歴史的時間〉 井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治』


2018年2月15日 世織書房刊 300頁 3400円+税

序章 小説、時間、歴史 
1 方法論の現在 
2 「同時代のコンテクスト」という陥穽 
3 バフチンと「歴史的時間」 
4 概念の整備①――国民国家の観点から 
5 概念の整備②――読者の観点から 
6 〈歴史的時間〉の導入と実践に際して 
7 本書の構成 / 

第Ⅰ部 〈歴史的時間〉を召喚する〈循環的時間〉 
第1章 小説が書き直される間
▼井伏鱒二「幽閉」(一九二三)から「山椒魚」(一九三〇)への改稿問題を中心に 
1 改稿はいかに捉えられてきたか 
2 「幽閉」から「山椒魚」へ 
3 「山椒魚」と〈歴史的時間〉 
4 閉ざされていく「幽閉」の可能性 
5 改稿と〈歴史的時間〉 

第2章 「私」を拘束する時間 
▼井伏鱒二「谷間」(一九二九)を中心に 
1 「現実」をめぐる論争史 
2 作中人物であると同時に書き手である「私」 
3 作中人物を拘束する時間 
4 書き手を拘束する時間 
5 「谷間」の構造と〈歴史的時間〉 
6 「谷間」が達成したもの 

第3章 持続可能な抵抗が模索される時間 
▼小林多喜二「蟹工船」(一九二九)と井伏鱒二「炭鉱地帯病院――その訪問記」(一九二九)を中心に 
1 二人の作者、二つの作品 
2 小林多喜二「蟹工船」の研究史 
3 「身体」に基づいた〈集団〉へ 
4 「蟹工船」における戦略としての〈集団〉 
5 井伏鱒二「炭鉱地帯病院――その訪問記――」の研究史 
6 「訪問記」における「私達」の戦略 
7 一九二九年、「×され」ないために 

第4章 アレゴリーを読む時間 
▼井伏鱒二「洪水前後」(一九三二)を中心に 
1 「アレゴリー」としての「洪水前後」 
2 「洪水前後」の文体的特徴 
3 パロディとしての文体 
4 歴史的意味が捨象される課程 
5 「アレゴリー」と〈歴史的時間〉 / 

第Ⅱ部 小説の空所と〈歴史的時間〉 
第5章 ××を書く、読む時間 
▼小林多喜二『党生活者』(一九三三) 
1 『党生活者』研究史の問題 
2 「××」を書く 
3 「××」を読む 
4 一九三三年と「××」 
5 『党生活者』が要求するもの 

第6章 小説の書けぬ時間 
▼中野重治「小説の書けぬ小説家」(一九三六)を中心に 
1 「小説の書けぬ小説家」の位置 
2 治安維持法体制の状況と転向五部作における伏字内容 
3 同時代批評における伏字をめぐる認識 
4 伏字問題と「小説の書けぬ小説家」の方法 
5 治安維持法体制と小説の方法 
6 いま、「小説の書けぬ小説家」が待っている読者 

第7章 疑惑を生み出す再読の時間 
▼太宰治『新ハムレツト』(一九四一)論 
1 『新ハムレット』に「政治的な意味」はあるのか 
2 再読を促す小説 
3 再読と「疑惑」 
4 増幅する「疑惑」 
5 一九四一年と〈疑惑〉 
6 一九四七年と過去の再読 

第8章 占領地を流れる時間 
▼井伏鱒二「花の町」(一九四二)を中心に 
1 〈歴史的時間〉における「花の町」の評価 
2 占領地の時間を断絶させる〈あの日〉 
3 〈あの日〉以前を取り戻す 
4 日付をもった記録という方法 
5 新聞小説としての「花の町」の可能性 / 

第Ⅲ部 〈断絶的時間〉に対抗する〈連続的時間〉 
第9章 〈断絶〉と〈連続〉のせめぎ合い 
▼太宰治『パンドラの匣』(一九四五~一九四六)論 
1 『パンドラの匣』における「連続」と「断絶」の問題 
2 「あの日」を描く 
3 「新しい日本」をめざす 
4 「古」さに回帰する「新し」さ 
5 再び「あの日」へ 
6 『パンドラの匣』と〈歴史的時間〉 

第10章 語ることが「嘘」になる時間 
▼太宰治「嘘」(一九四六)論 
1 「女の嘘」を問い直す 
2 「嘘」の構造と問題設定 
3 暴露される語りの「嘘」 
4 語ることへの欲望と〈歴史的時間〉
5 戦後日本、語るという「嘘」の連鎖 
6 「嘘」の時空間 

第11章 いま、「少しもわからない」小説 
▼太宰治「女神」(一九四七)を中心に 
1 「少しもわからない」テクスト 
2 テクストに配置された記号 
3 読者の再現①――記号のコンテクスト 
4 読者の再現②――記号の意味化 
5 作者の顕現 
6 しかし、「少しもわからない」 

第12章 革命の可能性が問われる時間 
▼太宰治『冬の花火』(一九四六)から『斜陽』(一九四七)へ 
1 『斜陽』の「母」をめぐって 
2 『冬の花火』と〈歴史的時間〉 
3 『斜陽』と〈歴史的時間〉 
4 『冬の花火』から『斜陽』へ 
5 革命の可能性と未来 

終章 〈歴史的時間〉の獲得としての読書 
1 私(読者)の時間(歴史)認識を露わにする過程 
2 過去の未来としての現在――新たな〈あの日〉をめぐって


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