■谷口雅博著『風土記説話の表現世界』■
2018年2月28日 笠間書院刊 291頁 6500円+税
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序章 風土記の成立と性質
一 風土記撰進の官命と各国風土記の記事内容
二 風土記を読むということ
三 本書の概略 /
第一部 風土記の異伝
第一章 『常陸国風土記』国号起源説話考
はじめに
一 異説並記・茨城郡名の場合
二 異説並記・角折浜の場合
三 国名起源譚
おわりに
第二章 『播磨国風土記』「一云」「一家云」の用法
はじめに
一 「一云」と旧地名
二 異説配列の意識
三 異説並記の意義
おわりに
第三章 『肥前国風土記』佐嘉郡郡名起源説話の特質――異伝記載の意図を考える――
はじめに
一 『肥前国風土記』の「一云」
二 佐嘉郡郡名起源後半部の考察
三 佐嘉郡郡名起源前半部の考察
四 地名由来の重層性
おわりに /
第二部 風土記の作品世界
第四章 『常陸国風土記』「風俗諺」の記載意義
はじめに
一 「諺」の範囲
二 『常陸国風土記』中の「諺」
三 国名起源譚の特異性
四 本文と注記との関係
五 古老伝承と「俗」詞章との対応
おわりに
第五章『常陸国風土記』倭武天皇の時代認識
はじめに
一 時代と人物との対応
二 「古」「昔」の時代と天皇の時代
三 征討の時代から巡行の時代へ
四 倭武天皇の問題
おわりに
第六章 『常陸国風土記』多珂郡「サチ争い」説話の意義
はじめに
一 記事内容の検討(1)狩への誘い
二 記事内容の検討(2)狩猟の失敗
三 橘皇后と常世国
四 記事配列の意識
おわりに
第七章 『出雲国風土記』「古老伝云」の内と外
はじめに
一 『出雲国風土記』の「古老」
二 大原郡における古老系と非古老系
三 来次郷――八十神と青垣山――
おわりに
第八章 『出雲国風土記』郡郷名の表記意識――地名起源説明記事との関わりから――
はじめに
一 好字と起源説明記事
二 改字の実態
三 改字の二重性
四 好字の意味内容
五 地名起源記事と地名表記との関わり
おわりに
第九章 『出雲国風土記』地名起源記事の文体――〈秋鹿郡〉を中心に――
はじめに
一 「神坐型」
二 「神詔型」
三 〈秋鹿郡〉郡名起源と郷名起源
おわりに /
第三部 風土記神話の文学性
第十章 風土記の異類婚――始祖を語る〈型〉――
はじめに
一 風土記の異類婚の特質
二 『常陸国風土記』の蛇神祭祀
三 ヌカビコ・ヌカビメ
おわりに
第十一章 『常陸国風土記』香島郡「事向」の文脈
はじめに
一 『古事記』の「言向(言趣)」
二 『常陸国風土記』香島郡前半部の分析
三 『常陸国風土記』香島郡後半部の分析
おわりに
第十二章 『出雲国風土記』の「御祖命」――仁多郡三津郷を中心に――
はじめに
一 「大神」と「御祖命」
二 『古事記』の「御祖(命)」
三 『出雲国風土記』の「御祖」
おわりに
第十三章 『播磨国風土記』の天日槍命と葦原志許乎命
はじめに
一 『日本書紀』の天日槍
二 『播磨国風土記』の天日槍命
三 葦原志許乎命登場の所以
おわりに
第十四章 『肥前国風土記』弟日姫子説話考――異類婚姻譚と歌――
はじめに
一 問題の所在
二 狭手彦と弟日姫子
三 神人の歌の持つ意味
四 風土記的始祖伝説
五 異類婚姻譚と歌
おわりに
終章 風土記の装いと記事配列意識
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