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坂口周著『意志薄弱の文学史――日本現代文学の起源』


2016年10月15日 慶應義塾大学出版会刊 445頁 3800円+税


序章「曖昧未了」から「意志薄弱」まで / 

第一部 第一章 運動する写生――正岡子規と映画の論理 
一 「起源」としての一八九六年 
二 活動写真の時代 
三 「写生」の二面性 
四 「活動」の原理 
五 「曖昧未了」の美学――余韻から運動へ 
六 写生的認識とモンタージュ 
七 夢の〈推移〉の理論へ 

第二章 催眠、あるいは脳貧血の系譜――夏目漱石から志賀直哉へ 
一 催眠術言説の成立 
二 漱石文学と催眠現象――〈夢見〉る心地 
三 「さびしさ」という方法――国木田独歩の感化 
四 志賀直哉の「さびしさ」へ 
五 悲喜劇の構造――「鳥尾の病気」論 
六 病と熱情のサロメ――シンボリズムとしての神経衰弱 
七 脳貧血の美学――文学による「心の自由」を求めて 
八 「風流」論へ 

第三章 〈気づき〉の神秘主義――内田百閒と夢小説 
一 「気づく」ことのテーマ性 
二 既視のメカニズム 
三 漱石という端緒 
四 媒介項としての志賀直哉 
五 「崇高」と「美」のはざまに 
六 「ぼんやり」から「はっきり」へ――「冥途」論 
七 佐藤春夫「西班牙犬の家」の夢空間 
八 照応する「城の崎にて」――夢の軌道 
九 「新感覚」の先へ / 

第二部 第四章 発声映画の時代――横光利一の〈四次元小説〉論 
一 昭和文学への転換――「新感覚」のパラダイム 
二 〈超︲現実〉の心理――「曖昧」の「朦朧」からの脱離 
三 トーキーの思想圏――発声という革命 
四 矛盾的同一体としてのトーキー 
五 有声を支える四次元 
六 小説の「連絡体」としての四次元 
七 偶然性と倫理――プロトタイプとしての『寝園』 
八 「純粋小説」における恋愛の意味 
九 「懐疑」と「会議」――『家族会議』における〈幸福〉への決意 

第五章 一九六三年の分脈――大江健三郎と川端康成 
一 「曖昧」から「あいまい」への受け渡し 
二 サルトルの「想像力」 
三 「空の怪物アグイー」論――空の夢、あるいは映画の空 
四 川端康成の何が「あいまい」なのか 
五 虚無を解消する方法――「片腕」論 
六 「あいまい」の行方 

終章 「意志」をめぐる攻防


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