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本橋裕美著『斎宮の文学史』


2016年10月10日 翰林書房刊 519頁 9800円+税


序 本書の意義と構成 / 
第一部 
第一章 『伊勢物語』狩の使章段と日本武尊――「斎宮と密通」のモチーフをめぐって―― はじめに 一、狩の使章段の構造 二、斎宮と密通の歴史 三、「明くれば尾張の国へこえ」る昔男 四、古今集時代の日本紀受容 五、狩の使章段の「斎宮と密通」モチーフ おわりに 

第二章 『大和物語』の斎宮と『うつほ物語』 はじめに 一、『大和物語』に描かれる斎宮たち 二、済子女王の密通 三、『うつほ物語』の斎宮 四、物語における斎院前史――斎宮との差異をとおして―― おわりに 

第三章 光源氏の流離と伊勢空間――六条御息所と明石の君を中心に―― はじめに――明石の君と六条御息所の「けはひ」―― 一、先行研究 二、六条御息所、徽子女王、明石の君 三、「伊勢島」の六条御息所 四、麻続王と光源氏 五、明石の君の役割 おわりに 

第四章 六条御息所を支える「虚構」――〈中将御息所〉という準拠の方法―― はじめに 一、六条御息所の「虚構」 二、「中将の御息所」とはだれか 三、〈中将御息所〉という設定の行方 おわりに

第五章 「別れ路に添へし小櫛」が繋ぐもの――秋好中宮と朱雀院の恋―― はじめに 一、恋情の始発と絵合巻の贈答 二、「別れの櫛」とは何か 三、「櫛」考――別れの「櫛」に向かう手がかりとして―― 四、『源氏物語』における「別れの櫛の儀」 五、三度目の贈答――「別れの櫛」の再登場 おわりに 

第六章 『源氏物語』絵合巻の政治力学――斎宮女御に贈られた絵とその行方―― はじめに 一、斎宮女御に贈られた朱雀院の御絵 二、「公茂」とは誰か 三、「公茂が仕うまつれる」朱雀院 四、朱雀院の志向 五、朱雀院の絵の行方 おわりに 

第七章 『源氏物語』における春秋優劣論の展開 はじめに 一、薄雲巻の春秋優劣論 二、六条院 秋の町 三、少女巻 春秋の競い 四、胡蝶巻 春秋の競い 五、乖離する「秋の町」と秋好中宮 六、「対」からの解消 おわりに――御法巻という結末―― 

第八章 冷泉朝中宮の二面性――「斎宮女御」と「王女御」を回路として―― はじめに 一、女王の立后 二、「斎宮の女御」としての立后 三、「王女御」という回路 おわりに 

第九章 冷泉朝の終焉――玉鬘物語をめぐって―― 一、冷泉帝のあり方――少女巻から藤裏葉巻へ―― 二、「かぐや姫」玉鬘 三、冷泉帝と『竹取物語』の帝――玉鬘物語の発展と結末―― 四、玉鬘物語に底流する冷泉帝治世 五、竹河巻の玉鬘・冷泉院 おわりに 第十章 「神さぶ」櫛のゆくえ――『源氏物語』秋好中宮と女三の宮の関わりが意味するもの―― 

はじめに 一、秋好中宮による女三の宮支援 二、「櫛譲り」が照らし返すもの 三、鈴虫巻の役割 おわりに / 

第二部 
第十一章 『夜の寝覚』における前斎宮の役割 はじめに 一、『夜の寝覚』における前斎宮 二、父入道の位置づけ 三、前斎宮と入道 四、斎宮経験者と皇室復帰の物語 おわりに 

第十二章 『狭衣物語』女三の宮の位置づけをめぐって はじめに――『狭衣物語』の〈斎王〉が抱える特異性―― 一、女三の宮の人物像――位置づけ・ト定・託宣―― 二、嵯峨院にとっての女三の宮――若宮立太子の切り札として―― 三、天照神にとっての女三の宮――託宣という切り札―― 四、斎院・源氏の宮との役割分担――「さとし」「告げ」のあり方から―― おわりに――女三の宮の「移動する」行末に向けて―― 

第十三章 平安後期物語から見る大津皇子の物語の展開 はじめに 一、平安後期物語に見る「大津の王子」 二、狭衣の恋 三、大伯皇女と兄妹婚 四、「秋の月」と大伯皇女 おわりに 

第十四章 『浅茅が露』の始発部をめぐって――退場する「斎宮」「皇女」―― はじめに 一、常磐院の姫宮 二、先坊の姫宮 三、二つの恋の役割 

第十五章 『海人の刈藻』における姉妹の論理と皇女たち はじめに 一、按察大納言の三姉妹と冷泉帝の三姉妹 二、一条院の斎宮の役割 おわりに 

第十六章 『恋路ゆかしき大将』における斎宮像――一品の宮をめぐって―― はじめに 一、一品の宮と端山の恋 二、婚姻の破綻 三、梅津女君の人物設定 四、鎌倉期の斎宮像と一品の宮 おわりに――斎宮経験者の結末―― 

第十七章 〈斎宮経験〉の視点から見る『我が身にたどる姫君』の前斎宮 はじめに 一、前斎宮の設定と問題の所在 二、前斎宮の居住空間 三、前斎宮の望むもの 四、前斎宮空間――中将の君の果たす役割―― おわりに――前斎宮と女帝の問題へ―― 

第十八章 『更級日記』の斎宮と天照御神信仰 はじめに 一、源資通の語る斎宮の姿 二、嫥子女王 三、孝標女と天照御神信仰 四、「天照御神」とは何か おわりに――斎宮の冬の夜をめぐって―― 

第十九章 文学サロンとしての斎宮空間――良子内親王を中心に―― はじめに 一、斎宮イメージの形成と柔子内親王 二、良子内親王の貝合 三、『堤中納言物語』「貝合」との関わり おわりに 

第二十章 反復される斎宮と密通の語り――『小柴垣草紙』が語る〈禁忌〉の恋を中心に―― はじめに 一、『小柴垣草紙』について 二、『小柴垣草紙』短文系統の内容 三、短文系統から長文系統 四、撹乱される規範 おわりに――建礼門院の読む『小柴垣草紙』―― 

終章 物語史の中の斎宮――上代から中世における斎宮の文学史―― はじめに 一、歴史から物語へ――上代の斎宮像―― 二、『伊勢物語』狩の使章段と『源氏物語』秋好中宮 三、『狭衣物語』の斎宮と王権 四、斎宮と女帝の物語――『我が身にたどる姫君』からたどる斎宮の物語史―― 五、〈王権〉を支える〈天照神〉と斎宮――『狭衣物語』から捉え返す女帝即位―― おわりに――女帝になれなかった斎宮が照らすもの―― 


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